女! と答えたいのは山々ですが、どうも男は旗色が悪いですねえ。ある研究者は「結婚で守られるのは男だ」と、断言しています。たしかに、男は結婚したいけどできない、女はそもそも結婚したくない、といいますからねえ。 大正時代の新聞雑誌の身の上相談を読んでいると、つくづく昔の男は得だったと思う。これ以上妊娠するのが嫌だから夫に避妊具を使ってほしいと頼むと夫はお金で欲望を解決しに行ってしまう、どうしたものか。といった深刻な相談に、相談者はにべもなく、子は授かりものというではないか、女は忍従が美徳、我慢しなさいと答えている。そういう時代だった。 つい最近まで「永久就職」ということばが生きていて、女は結婚したら食べさせてもらえる。得をするのは「女」だ、という考えがまかり通っていた。 だからいま50代の既婚女性は出産などで里帰りすると、親が婚家に気をつかって早く帰れとせかしたり、わざわざ婚家に連絡して申し訳ありませんと謝ったりした。みんながみんなそうしたわけではないが、そういう親も少なくなかった。 一方男はどうかというと、独身時代さんざん遊んだあげく「そろそろ年貢の納めどき」などといって結婚しておとなしくなる、というのが、言ってみればいっぱしの男の生き様であった。あの夫婦仲うるわしかった高名な倫理学者の和辻哲郎にさえも「シュトルム・ウント・ドランク(疾風怒濤)」の独身時代があったというではないか。 ところが時はまわった。いまや結婚して守られるのは男である。朝晩の食事をつくってくれ、夜の相手もしてくれる。子どもを妊娠したら、働けばそこそこ稼げる女がわざわざ仕事をやめて、出産子育てしてくれる。結婚は男にとってまことに居心地のいい制度になった。男はかりそめにも、妻に対して「釣った魚にえさはやらない」だの「三食昼寝つき」だのと軽口をたたくことのできる身分ではなくなったのである。 |
1位建築家らがシンポで改...(161p)
2位ほんとはあった稲田議...(152p)
3位地上げ屋と血みどろバ...(119p)
4位「映画『靖国』の試写...(82p)
5位「三井マリ子さん雇い...(79p)
6位「ねじれ国会=政治停...(75p)
7位痴漢冤罪との戦い...(64p)
8位植草一秀氏名誉回復裁...(54p)
9位【忙中閑話】ONE ...(52p)
10位穂の国発 農産物はい...(45p)
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