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ページ更新時間:2008年4月15日(火) 01時35分

映画「南京の真実」、国会内で試写会

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 ドキュメンタリー映画「靖国」の上映中止が相次ぐ中、今度は、旧日本軍による南京大虐殺は“ねつ造”だったとする映画の国会議員向け試写会が行われました。その会場となったのは衆議院の講堂でした。

 今回上映された映画「南京の真実」は、東京裁判でA級戦犯とされた東条英機元首相ら7人が絞首刑にされるまでの24時間を再現したものです。

 この映画は、南京大虐殺の責任を問われ処刑された南京攻略戦の司令官・松井石根大将にスポットを当て、「南京大虐殺はねつ造だった」と強く訴えています。

 「南京事件と言われるものは通常の戦争であると。それ以上でも、それ以下でもないと。30万人の大虐殺とか婦女子に対する暴行とか、そんなことは全くなかったんだと。日本の軍隊、軍人は立派な戦いをしたんだと」(呼びかけ人代表 自民党・中山成彬 元文科相)

 14日夜、国会内の衆議院の講堂で開かれた試写会には、自民党、民主党の保守系議員16人が参加しました。

 「私も前からいろいろ調べていましたから、それをちゃんと忠実に映画にしてたなという感想を持ちました」(平沼赳夫 衆院議員)

 会場には、ドキュメンタリー映画「靖国」の事前上映を求めた稲田朋美衆院議員の姿もありました。この映画「南京の真実」を見た議員からは、上映中止をめぐって問題となっている映画「靖国」について、「内容が偏向している」などと批判の声もあがりました。

 「(映画『靖国』は)結論から言えば、全くド素人が作った興味本位の映画としか思えなかった」(自民党 島村宜伸 衆院議員)

 国会内で、南京大虐殺はなかったとする映画の試写会が開かれているその最中に、都内では、映画「靖国」の上映中止と表現の自由を考えるシンポジウムが開かれていました。

 「(映画『南京の真実』も)見たいですね、僕は。当たり前です、(映画『靖国』も)どっちも見たいです。みんなで見ればいい。“上映してはいけない”とは思わない。見て、自分の中でそれを考える」(ドキュメンタリー作家 森 達也 氏)

 一方、日弁連などは、一般公開を前に映画「靖国」の試写会を独自に開催すると発表。表現の自由が脅かされていることに懸念を表明しました。

 「(日教組に会場を貸さなかった)プリンスホテルの事件もそうだし、映画『靖国』の上映中止もそうですけど、とにかく世の中全体が何となく浮き足立っている。自由が制限されるのはやむを得ないんじゃないかと、こういう雰囲気がまん延していると思います」(内田雅敏 弁護士)

 靖国神社を描いた映画の上映中止が相次ぐ中、南京大虐殺を否定する映画の試写会が国会内で開かれたことは、小泉元総理の靖国神社参拝以降、沈静化していた日中間の歴史認識の問題を再燃する可能性もはらみ、今後、論議を呼びそうです。(14日23:07)