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プリンスホテル新高輪 区、行政処分見送り文書指導へ

2008年04月15日07時27分

 日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会をめぐり、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が組合員の宿泊予約を取り消した問題で、港区は、ホテル側の行為が「旅館業法に違反する」として文書で指導する方針を固めた。15日にホテルの経営者を区の保健所に呼び、正式に伝える。営業停止などの行政処分は見送られる。

 旅館業法は、宿泊しようとする者が伝染病などにかかっていると明らかに認められる場合や、違法行為、風紀を乱す行為をする恐れがある場合、宿泊施設に余裕がない場合を除いて宿泊を拒めないと定めている。

 港区はプリンスの行為が同法違反にあたると判断する一方で、都心の大型ホテルを営業停止などにした場合の影響の大きさも考慮して行政処分は見送り、文書指導の中で再発防止などを求める。

 プリンス側は、宿泊客や周辺の安全確保が難しいことなどを理由に集会会場の利用予約を取り消し、「会場利用と宿泊は一体」として宿泊予約も解除した。ホテル側はこれまでの港区の事情聴取に対しては「反省している」と述べており、すでに旅館業法を尊重するとした再発防止策を区に提出している。

 この問題は、2月の衆院予算委員会でも取り上げられ、舛添厚生労働相がホテル側の行為について「旅館業法に違反する疑いが濃厚と思う」と答弁している。

 宿泊拒否をめぐっては、ハンセン病歴を理由に拒否した熊本県内のホテルが04年に営業停止3日間の行政処分を受けた例がある。旅館業法による指導は知事の権限だが、東京都の場合は区に権限を移譲している。

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