鹿食免振興会設立準備会は14日、諏訪市の諏訪商工会館で開き、諏訪大社に伝わる「鹿食免」「鹿食箸」の伝統を生かしたシカ肉料理の普及を図る組織として鹿食免振興会を設立した。会長には諏訪食品衛生協会長の廣橋正弘さんを選出。2010年の御柱祭に向け、食材の供給や料理の提供を重点に、食文化として諏訪産シカ肉の利用を進めていく。
振興会の設立は、諏訪地方6市町村の飲食店組合や商工、観光関係者を集めて3月末に開いた諏訪地域資源価値創造委員会の連絡会で確認済み。準備会は各団体の代表者や6市町村の商工会議所、商工会に参加を呼び掛けて開き、名称を決め、会長を選任して活動の進め方を検討した。
会議では、鹿食免取り扱い店舗登録証として配布する諏訪大社の焼印入りの店頭看板の取り扱いや登録料などについて意見交換。行楽客が増える5月の大型連休にも鹿食免の活用が始められるように準備を進めた。
振興会はジビエとは違ったストーリー性のある食文化として売り込んでいく方針だ。廣橋会長は就任あいさつで「外から人を呼ぶために、もっと大きなスケールで食材として提供していく。諏訪大社の信仰の中にある鹿食免はわれわれしかもっていない。これによって、食材を確保し、関心のある人は大いにビジネスチャンスとして参加してほしい」と述べた。
「鹿食免」と記した店頭看板は07年度中に50枚を製作し、飲食店や旅館などからの申し込みを受けて、今週中にも配布を始める予定だ。由来を記した小冊子も出来上がり、誘客の準備も進んでいる。同市観光協会の井口恒雄会長は「リピーターを増やすためには諏訪のブランドとして(鹿食免を)全国に発信し、安定した誘客につなげたい」と期待していた。