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【三重】

妊婦に好評の助産師外来 産科医の負担も軽減

2008年4月15日

 産科医不足に揺れた尾鷲市の尾鷲総合病院が、二〇〇七年度に開設した「助産師外来」が二年目に入った。妊婦健診などを助産師が担当する制度で、一人態勢の産科医の負担軽減に貢献する一方、利用者からも高評価を得ている。

 同制度は県内の自治体病院では初の試みとして導入。有料の妊婦健診と母乳マッサージ、無料の母乳指導などをしている。初年度は予想を上回る延べ六百三十一件の利用があり、医師不足問題で減少傾向だった出産件数の増加にも一役買った。

 同制度の特徴は妊産婦一人の持ち時間が長い点。妊婦健診の場合、出産への対応に追われる医師は十分程度で切り上げるが、同制度では一回三十分に設定。三月末、男児を出産した紀北町の女性(35)は「異性の医師には相談しにくい個人的な話もゆっくり聞いてくれ、リラックスして出産できた。豊富な知識も身に付いた」と振り返る。

 同病院の助産師は五人態勢で、医師と同様に人材の確保に苦心している。助産師の浜畑幸美主任は「プロとしてのやりがいが心の支え。妊婦さんが『助産師外来があるからこの病院に来ました』と言ってくれるよう努力したい」としている。

 (鈴木龍司)

 

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