現在位置:asahi.com>ビジネス>投資信託>ファンドニュース> 記事 新規設定ファンドの動向2008年04月14日 今回は、投資信託市場の動向を新規設定されたファンドを中心に見てみました。
図表(1)は2007年4月から2008年3月の一年間と、それ以前の期間に新規設定されたファンドの推移です。2007年4月から2008年3月の直近一年間に新しく設定された国内追加型株式投資信託は413本でした。新規設定本数が急激に伸びている2005年4月から2006年3月までの期間を含め、過去3年間はコンスタントに増加傾向が続いたようです。特に、ファンドの増加傾向が顕著にあらわれている2005年春から2006年春の期間は、国内景気が回復基調と言われており、日経平均が11,000円台から17,000円台にまで上昇していた時期でもあります。そのような上昇相場や2005年4月のペイオフ全面解禁などの動きを受けて、「投資信託」に興味を持ち始めた一般投資家に応えるように多くのファンドが設定されました。
次に、投信協会大分類による新規設定ファンド分類の動向を見てみます。特に設定数が増加しているのは、ファンド・オブ・ファンド型(直近一年間設定数:135)、バランス型(直近一年間設定数:116)、国際株式型(直近一年間設定数:87)、の3分類です。ファンド・オブ・ファンズは通常のファンド以上の分散投資の効果が見込めることや、個別銘柄に投資をするよりも投資家自身の銘柄研究や資産管理に費やす時間や労力を省けること、純資産額が少なくても規模の投資効率が得られること、機関投資家のみ購入可能なファンドに間接的に投資が出来ること等、多くの利点があることから設定数が伸びています。2000年の規制緩和により国内で設定が可能となったため、2002年4月から2003年3月の期間の設定数はわずか16本でした。 バランス型の定義は、「約款上の株式組入れ限度70%未満のファンドで、主として外国の株式を中心に分散投資する投資信託」となっていますが、実際にこの分類の中には、新興国も含めた高金利通貨国の債券を中心に運用するファンドや、株式、債券、不動産などの資産に分散投資し、一般投資家の間で人気の高い「資産分散ファンド」などが多く存在します。 前期間から直近一年の増加率が一番高かった国際株式型(約款上の外国株式組入れ限度70%以上のファンド)では、各国の高配当な株式を組み合わせて高い分配を目指す好配当株式ファンドや、ヨーロッパ、BRICs等に的を絞って投資するファンドが設定されました。
※基準日:2008年3月末 では、実際に投資家の関心をあつめたファンドはどのようなファンドでしょうか。図表(2)では直近一年間に新規設定されたファンドで純資産額の大きいものを20位までピックアップしています。注目すべきは、ほぼ全てのファンドで主な投資対象が海外資産であることです。唯一、20位のフィデリティ・資産分散投信(成長型)は約40%の国内資産を組み入れています。やはりランキングには、新規設定の本数も増加傾向にある、新興国も含めた高金利通貨国の債券を中心に運用するファンドや、好配当株式ファンドが上位にランクインしており、インカムゲインを狙う運用への投資家の関心の高さがうかがえます。特に1位の野村 世界高金利通貨投信は2007年8月29日に設定された後、数週間で純資産額が約3000億円超まで拡大。現在は同ファンドの投資対象市場の流動性などを勘案し、運用資産の適正範囲を維持するためとして、一時募集を停止しているようです。同様のコンセプトで2007年11月27日に設定されたのが2位野村 新世界高金利通貨投信。1位のファンドが高金利の8通貨に投資するのに対して、こちらは2通貨増えた10通貨に投資を行っています。また、高い経済成長が期待される新興国の株式に投資するファンドが半数近くを占めている事もポイントです。2007年夏以降に中国、インド等の新興国株式市場が軟調となったものの、依然として新興国株式への期待が寄せられていることが分かります。3位にシュローダー・ラテンアメリカ株投資や11位にBNPパリバ・ブラジル・ファンド(株式型)がランクインしていることからは、次の投資対象新興国としてラテンアメリカが注目されていることも分かりました。 PR情報ビジネス
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