UPDATE1: プライベート・エクイティは400億円の純増を予定=大同生命・08年度運用計画
[東京 11日 ロイター] T&Dホールディングス(8795.T: 株価, ニュース, レポート)傘下の大同生命保険は、2008年度の一般勘定資産の運用計画について、日本株を横ばいにするとの方針を示した。前年度に700億円買い増しているため、資産構成としてはオーバーウエートを維持することになる。国内債券は若干減少。外国債券は収益性が低いと判断して低い運用比率を維持する。
ヘッジファンド、プライベート・エクイティなどのオルタナティブ投資は、引き続き積極姿勢で臨む。ヘッジファンドは100億円の積み増し、プライベート・エクイティは400億円の純増を計画している。プライベート・エクイティは中期計画の残高2000億円を今年度中に達成する見通しとなった。
大同生命・運用企画部の真珠聡雄部長がロイターとのインタビューで述べた。詳細は以下のとおり。
<国内株式>
日本株の一般勘定資産に占める比率は3月末で14%程度、金額ベースでは9000億円弱となっている。前年度上期に400億円売却したが、下期は1100億円の買いに転じ、年間では700億円の買い増しとなった。今年度は横ばいを予定。当社の資産構成としてはオーバーウエートの状態であり、これを維持する方針だ。
基本的なスタンスは下がれば買い、上がれば売り。状況に応じて先物、ETFなどを売買し機動的に対応する。米国からは良い経済指標が出てこないが、金融政策や財政政策の効果が年後半には効いてくるだろう。投資家のリスク許容度が上がり、相対的に割安な日本株が見直されるとみている。今年度の減益見通しもあるが、配当利回りなどのバリュエーションを考えれば割高感はない。日経平均のレンジは1万1500円―1万6500円、年度末1万5500円を想定している。
<国内債券>
インカム資産としての国内債券運用額は3月末で2兆3000億円程度。今年度は若干の減少を予想している。年金償還に伴うテクニカル的なものであり、個人保険の運用部分は横ばいとなる。金利上昇に備えてデュレーションは4年程度を維持する。20年国債の利回り2.5%をターゲットとし、この水準を超えれば、少しずつ購入していく。長期金利は1.1―1.7%のレンジを想定。年度末は1.5%を予想している。
昨年度から新たなインカム資産の運用として、バイアウトファンドへのファイナンスに取り組んでいる。初年度の実績は200億円程度だった。これまで培ってきたプライベート・エクイティ投資のノウハウを生かして、今後も認知度を高める考えだ。
<外国証券>
ヘッジ外債とオープン外債を合わせた外債の運用残高は3月末で約1900億円。新年度もこの水準を維持する。一般勘定資産に占める為替のエクスポージャーは07年9月末の4.2%から3%台半ばまで低下した。円高とドル保有のリスクを避けるためのヘッジ増加が影響している。外債のヘッジコストは安くなったが、収益性が低いため投資妙味は薄いとみている。米長期金利は、3.2―4.2%のレンジを想定、年度末は4.0%を予想している。為替レートは、1ドル90―115円のレンジを想定。年度末は110円とみている。現状は外債のウエートをミニマムまで下げているが、米長期金利の天井がみえてくれば買い増しの可能性もある。
<オルタナティブ投資>
ヘッジファンド、プライベート・エクイティなどのオルタナティブ投資は積極的な投資スタンスを継続する。ヘッジファンド残高は円高による目減りが大きく、07年9月末の1900億円から今年3月末には1600億円に減少した。新年度は100億円の積み増しを予定している。07年度のリターンは信用収縮の影響などにより、米ドルベースで2%と低調だったが、長い目で見れば他のリスク資産に見劣りするとは思わない。
プライベート・エクイティは07年9月末の実行ベースで1500億円(コミットメントベースでは3200億円)から08年3月末には1700億円(コミットメントベースでは3200億円強)に増加した。今年度も400億円の純増を予定している。コミットメントベースでも400―500億円の増加になる。07年度のリターンは15%(ドルベース)と良い成績を上げている。プライベート・エクイティは中期計画の残高2000億円を今年度中に達成する見通しとなったが、これで上限とは考えていない。さらに上積みし、適正水準を模索していく。
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