福井県あわら市の新婚カップルが12日、えちぜん鉄道を利用した結婚披露パーティーを開いた。タキシードとウエディングドレス姿の2人が、福井発勝山行き普通列車でパーティー会場のある松岡駅まで”ミニ旅行”。車内では友人や偶然乗り合わせた乗客たちの祝福を受けた。
鉄道を利用して結婚披露パーティーを開いたのは猪岡新さん、真紀さん夫妻。今年1月中旬、新さんの出身地である秋田県内で挙式した2人は「県外の友人に福井をPRしよう」と、えちぜん鉄道を利用したパーティーを計画。同社も1両編成の車両を2両に増やすなど全面協力した。
車掌の帽子をかぶったタキシード姿の新さんは、友人ら約30人とともに福井駅を出発した。ふくい春まつり帰りの乗客でにぎわう車内で「ありがとうございます」とあいさつし、2人のプロフィルなどを紹介した小さな冊子を友人一人一人に手渡した。
新婦の真紀さんは越前新保駅で合流。純白のウエディングドレス姿の真紀さんが乗車すると、祝福の拍手に包まれた。新さんは、時折大きく揺れる車内で真紀さんを支えながら結婚を報告。友人たちに交じり、携帯電話のカメラで2人を撮影する乗客もいた。
乗り合わせた勝山市の会社員、坂上信雄さんは「偶然乗った電車の中で出くわしたので、びっくりした。電車のPRにもなるし、2人には幸せになってほしい」と話していた。
福井駅から約20分の旅を終え、松岡駅に到着した一行は駅舎前で記念撮影した。パーティー会場へ向かう新さんは「たくさんの乗客が乗っていたので緊張した」、真紀さんは「一生忘れない、いい思い出になりました」と笑顔を見せていた。