外陰癌(がん)の治療は外科手術が一般的だが、局所イミキモドクリーム(局所免疫調節薬、※日本では尖圭コンジローマに適応承認)が外陰部の前癌病変に有効であることが、オランダの研究者らによって示され、医学誌「New England Journal of Medicine」4月3日号に掲載された。
外陰癌は長年かけて徐々に発現し、発現前に女性の膣開口部周辺組織内に前癌性の変化がみられることが多い。米国癌協会(ACS)によれば、この癌は米国女性の癌全体の0.5%を上回る程度に過ぎず、3分の1から半数はヒトパピロマウイルス(HPV)感染と関連している。イミキモドは、患者自身の免疫系を活性化させHPV撃退を助ける効果をもつ。
オランダ、エラスムスErasmus大学メディカルセンター(ロッテルダム)婦人科のManon van Seters博士氏らは、18歳以上で性生活があり、閉経前の前癌状態と診断された女性52人を対象に、16週にわたる週2回のイミキモド5% 250 mg塗布とプラセボクリーム塗布のいずれかに無作為に割付け、イミキモドの有効性を検討。対象者の大多数がグレード3の疾患を有し、外陰癌の既往を持つ者はいなかった。
治療終了時までに、イミキモド群では5人中約4人に25%以上の病変縮小を認めたが、プラセボ群では認められなかった。イミキモド群では75%以上の病変縮小が5人、病変の完全消失が9人にみられ、1年後も病変は出現しなかった。8人は治療終了時も1年後も疾患を認めなかった。
また、イミキモド群の15人、プラセボ群の2人は、治療直後にHPVが完全に消失した。疾患の重症度は、イミキモド群では約70%がグレード3から2に低下したが、プラセボ群では1人しか低下しなかった。さらにイミキモド群では、治療直後、1年後ともプラセボ群よりも重度の痒みと疼痛が軽減し、生活の質(QOL)も改善すると思われた。
Seters氏は「外科手術では病変部を除去しても、HPVはそのまま残存するため再発の可能性がある。クリームははるかに低侵襲で、良好な結果が持続するが、あくまで前癌病変に対してのみ有効であり、浸潤性の外陰癌自体に有効とは思わない」と述べている。ACSのDebbie Saslow氏は、今回の治療法を新しい標準的な治療法と呼ぶには、さらにより大規模な研究が必要としている。(HealthDay News 4月2日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=614172
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外陰癌(がん)の治療は外科手術が一般的だが、局所イミキモドクリーム(局所免疫調節薬、※日本では尖圭コンジローマに適応承認)が外陰部の前癌病変に有効であることが、オランダの研究者らによって示され、医学誌「New England Journal of Medicine」4月3日号に掲載された。外陰癌は長年かけて徐々に発現し、発現前に...