内閣府は14日、社会保障国民会議の分科会で、正社員と非正規社員では年金受給額がどれだけ差が出るかの試算を示した。男性単身者の場合、正社員なら生涯に4542万円の厚生年金を受け取るのに対し、国民年金保険料を7割納めた非正規社員は1023万円にとどまり、格差は4.4倍に達するという。
試算は、65歳から年金受給を始め、平均寿命をもとに男性は83歳まで、女性は88歳まで受け取ると仮定した。
その結果、正社員の場合、生涯賃金は男性が3億1080万円で、厚生年金の月額は20万5158円。女性は生涯賃金2億6129万円、年金は18万2993円となっている。
これに対し、国民年金(生涯納付率70%)のパート労働者は、生涯賃金が男性は6214万円で、女性は5023万円。年金月額は男女とも4万6206円にとどまっている。
非正規社員で厚生年金に加入していた場合でも、月額年金は男性9万3827円、女性8万8495円で、正社員との格差は大きい。
雇われている人全体に占める非正規社員の割合は、34歳以下の層でみると、86年度に7%だったが、06年度には22.2%と年々拡大している。【吉田啓志】
毎日新聞 2008年4月14日 20時40分