朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ホーム設定

Special Contents ひと

  • インタビュー
  • フロントランナー
  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

記事を印刷

マネー

  • バックナンバー

経済コラム

米国の中小金融機関の破綻(はたん)が
増えるかもしれない

  • ページ1
ローンの支払いができず、強制退去させられたというミネアポリス市郊外の家。サブプライム問題は米国だけでなく、世界経済に大きな影を落としている

株式市場は言うに及ばず、世界各国の景気にまで影響を及ぼしている米国のサブプライムローン問題(低所得者向け住宅ローン)。抜本的に問題が解決するまで、依然としてかなりの時間を要すると推測されているが、新年度に入ったとたん、世界的に株式市場は悪材料に打たれ強くなっているようである。

米国のバーナンキFRB(連邦準備制度理事会)議長は2月28日の上院議会証言で、シェルビー上院議員の「米国で今後、銀行が破綻する恐れはあると思いますか」という質問に対して、「中小銀行の多少の破綻の恐れを予測しているところです」と答えたことから、世界の株式市場が急落、円・米ドルレートは約12年半ぶりに1ドル100円割れとなったことは記憶に新しいことだろう。ところが、4月2日の米国上下両院合同経済委員会の証言で、バーナンキ氏は「景気後退は起こり得る」と述べたにもかかわらず、株式・為替市場が急落することはなかった。むしろ、相場は織り込み済み、あるいは悪材料出尽くしとなり、堅調に推移しているのである。懐疑の中で株価は育つとの格言もあるようだが、本当にサブプライム危機の峠は越えているのだろうか。

冒頭のバーナンキ氏の証言を深読みすると「中小銀行は多少の破綻を予測している」ということは、大手銀行の危機は峠を越えているが、中小銀行の危機は去っていないと考えられる。事実、米国の連邦預金保険公社(日本でいう預金保険機構)が、3月25日、銀行の破綻処理に備え、今後3カ月間で担当部署の人員を6割増やすことを明らかにしている。これは、明らかに米国の銀行破綻が短期的に急増することを裏づけている気がしてならない。さらにFRBは、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)レート(日本でいう無担保コール翌日物)を、短期間で大幅に引き下げていることも無視することはできない。

少々古い話になるが、FRBは2001年のITバブル崩壊後の景気悪化局面では、政策金利であるFFレートを6.5%から1%まで引き下げたわけだが、2年半という期間を要している。ところが、今回の政策金利引きげは、2007年9月から始まり3月18日までの約半年で、5.25%から2.25%まで引き下げられている。しかも、4月30日のFOMC(連邦公開市場委員会)でも利下げを示唆する発言をバーナンキ氏がしているうえ、その次の6月25日、場合によってはその次の8月5日にも利下げが続くと予測されている。仮に、これまでのような幅で利下げが続いたならば、8月のFOMC後には、政策金利であるFFレートは1%近辺まで下げられることになる。ITバブル崩壊後の利下げ局面と比較すると、何と2.5倍ものスピードで利下げをしていることになる。

米国でも原油価格の高騰などにより、消費者物価が上昇しているにもかかわらず、利下げを続ける予想が絶えないのは、米国連邦預金保険公社の人員増強が終了する3カ月後、つまり7月以降に中小銀行の破綻急増を見越した準備をしていると思えてならない。

深野 康彦 (ふかの・やすひこ)

ファイナンシャルリサーチ代表。クレジット会社勤務後、1989年4月にFP業界に入る。独立系FP会社2社を経て、2006年1月にファイナンシャルリサーチを設立、現在に至る。新聞、マネー誌や各種メールマガジンへの執筆・取材協力、テレビ・ラジオ番組などへの出演を通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説く。主な著書に「家計崩壊」「見えないインフレ時代を生きる知恵」「図解 金融機関にすすめられた商品の中身がわかる本」(ともに講談社)など。

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。