福田康夫首相は14日午前、産科や小児科の医師不足による救急医療体制の不備への改善策を来月に打ち出す方針を明らかにした。東京都世田谷区の国立成育医療センターを視察した後、記者団に「早急に手をつけなければいけない。来月にはビジョンをまとめる。(医療問題などを議論している)社会保障国民会議とは別に先行させなければいけない」と述べた。
産科・小児科の医師不足は昨年8月に奈良県の妊婦が救急搬送の受け入れを相次いで拒否されて死産した事件を受けて、医療機関による「たらい回し」の実態が表面化。その後、大阪府で体調不良を訴えた女性が30の病院で受け入れられず死亡した事件も発生し、社会問題となっている。
救急医療体制の強化に向けた予算措置について首相は「必要なものは必要だ。なんらかの措置をする。裏付けをつけなければいけない」と強調した。妊婦や救急患者の受け入れ態勢を改善するには、病院での医師の再配置や救急患者を受け入れた病院への手当拡充といった措置などが必要とみられる。(15:28)