長久手・発砲立てこもりの大林被告宅取り壊し
■『マネーの虎』南原氏が明け渡し要求
愛知県長久手町で昨年5月、警察官ら4人が死傷した発砲立てこもり事件の現場となった犯人の元暴力団員大林久人被告(51)=殺人罪などで名古屋地裁で公判中=の自宅(同町長配)が14日に取り壊された。自宅の土地、建物はテレビ番組「マネーの虎」などに出演した自動車輸入業南原竜樹氏が明け渡しを求めて同地裁に提訴しており、取り壊しはその関連とみられる。
■被告の弁護士「損害賠償での告訴も」
この日朝、同自宅に作業員6人が来て重機やトラックを横付け。家屋はすべて取り壊された。「壊せと言われたから壊している」と作業員は言葉少なに話した。同自宅は10日にも同裁判に関連してトラックや重機が入り一部取り壊された。その際に「聞いてなかった」とする大林被告の親族と業者の間でトラブルがあり、南原氏と被告のの弁護士が話し合った。大林被告側の弁護士は「この時の話し合いでは取り壊しは待ってくれるはずだった。まだ被告宅には家財道具が全部入っている。(南原氏側の行為は)ひどい。こんなことをやっていたら、裁判なんていらない。(南原氏は)占有物離脱の疑いもあり、損害賠償での告訴も検討している」と憤りを隠せずにいた。
この日は同地裁で大林被告の刑事事件の第2回公判があり、事件で同被告に撃たれ重傷を負った次女の証人尋問が行われた。
同事件は昨年5月17日に発生。大林被告が自宅で元妻(51)を人質に立てこもり、拳銃を発砲。駆け付けた愛知署員や被告の長男、次女を次々に撃って重傷を負わせた。さらに同日夜、人質ら救出しようとした警察官に発砲して殺害した。
3月24日の初公判では被告は「殺すつもりはなかった」などと殺意を否認。8日には同地裁が被告を立ち会わせた現場検証を行った。
【写真説明】重機が入り、家屋も壊された発泡立てこもりの現場=14日午前10時、愛知県長久手町
(2008年4月14日更新)