日本の調査捕鯨船団が反捕鯨団体「シー・シェパード」などから妨害行為を受けた事件で、海上保安庁と警視庁公安部は合同で、15日に東京港に入港する捕鯨船に立ち入り、実況見分をする方針を固めた。傷害や威力業務妨害容疑で捜査し、国際刑事警察機構(ICPO)を通じ関係国に捜査協力を求める方針。
捜査対象の妨害行為は、今年1~3月や昨年2月に南極海で起きた複数の事件。
シー・シェパードが関与する事件では、3月3日に船団の母船「日新丸」に薬品入りの瓶が投げ込まれた。目に液体が入って、乗組員や同乗していた海上保安官が軽傷を負った。1月15日には別の船に薬瓶が投げ込まれ、活動家2人が捕鯨船に乗り移った。
また今年1月22日には、環境保護団体「グリーンピース」のボートが燃料補給を妨害する事件が起きている。
捕鯨船団は現在日本に向かって航行中で、15日に東京港に入港し、乗組員の入国審査などを受ける予定だ。
海上保安庁などは、実況見分で捕鯨船団と妨害船の位置関係や、薬瓶投げ入れの状況などを確認し、乗組員らから詳しく事情を聴く方針。薬瓶の押収など初動捜査は、既に同乗していた海上保安官が実施している。妨害行為はビデオ撮影されているが、容疑者の特定は難しいという。
毎日新聞 2008年4月13日 東京朝刊