国際貢献/時代は変わる
 

 左巻きの偽善者・辻元清美の判決が出たが,残念ながらブタ箱入りを免れて,執行猶予5年がついてしまった.
 その辻元清美が偽善団体であるピースボートなる団体で,カンボジアでPKO活動をしている自衛隊にイチャモンをつけに行った話が宮島茂樹氏著の『ああ、堂々の自衛隊』(双葉社で文庫化)に書いてあった.
 阪神大震災の時には,例によって常日頃「近頃の若者は…」と嘆かれていたはずの若者たちは,救援物資をいっぱいに詰めたリュックを背負って,不通となった鉄路を黙々と歩んでいたが,「温泉場のようです」と放言していたニュース23のキャスターである筑紫のド馬鹿は「希望のない国」と言っている日本の若者の姿を偏見無しに見ているのか?
 普通のことや少々の善行はニュースにならないが,犯罪はニュースになるから,「最近の若者は悪いことばかりする」になっているんだろうか?(苦笑)
 それとも,ひたすら自国を卑下するのがジャーナリストの使命であるとでも思っているのだろうか?

 脱線したが,この阪神大震災時に,自称・市民団体「ピースボート」は,ろくに救援物資も持たずに印刷機だけを持ち込んで自己宣伝と政府批判のビラを撒いていたらしい.
 吾が輩は断言するが,どんな時でも相手を利用することしか考えない辻元清美は慈善という言葉からほど遠い偽善者である.
 鈴木宗男が疑惑の総合商社なら,辻元清美は「偽善の総合商社」である.
 宮島茂樹著『ああ、堂々の自衛隊』は,92年のカンボジアPKO派遣の際の取材記だが,吾が輩好みの本で非常に面白い!
 もともと週刊誌に連載していた記事を文庫化したものなので,面白いだけでなく文章量がそれほど多くないために,あっという間に読み終えてしまったのが残念だった.
 何しろ,宮島氏の文章は吾が輩好みのお下劣でおバカな文章なのだ(笑).
 時代錯誤的な「皇紀○○年…」などの表記や,乗り込んだ派遣艦隊の旗艦「みうら」に毎日新聞の取材ヘリが五月蠅くついて来るのを見て,「三インチ砲の餌食にしてやろう」と進言し,副長が監理幕僚に向かってクルクルパーの合図をしているのを「あれはいかなる秘密の合図だったか?」などと書いている.
 勿論,冗談だが,この辺の文章になると,ムキになって「軍国主義」だの「右翼だ」などと誹るのもアホらしくなりそうなのがオカシイ(笑).
 何しろ読みやすくて面白いので,吾が輩のお奨めの1冊である−と書いているのは,宣伝と引き替えにカメラマンである宮島氏の写真を掲載させてもらうおうという下心である(笑).

 『ああ、堂々の自衛隊』によると,ピンク暴徒…じゃなかったピースボートの連中は,カンボジアでPKO活動をしている自衛隊員のところに美々しく化粧した姿で大挙して押しかけ,勝手に自衛隊車両に乗り込んだり,隊員のテントに入り込んだりした挙句の果ての質問が,「従軍慰安婦を派遣するという噂があるが」とか「隊内でコンドームを配っているとか.あなたのポケットにもあるんでしょう」などだったらしいが,一番酷いのは,40℃を超す猛暑の中で汗みどろになって道路を作るための土砂を採掘していることに対して,イスラエル兵に銃を突きつけられたガザ地区のパレスチナ人のように敵意あふれる表情と声で,「雨が降って,土砂が水田に流れ込むなどにより,環境への悪影響があるでしょう.それは調査しているんですか?」と糾弾…いや質問していることである.
 宮島氏は,「きっと,この方は,自分の家が火事になったら,放水した場合のまわりへの環境の変化を調べてから,消防車を呼ぶのだろう」と書いている(笑).

 この辻元清美率いる(と言っても,全く統率されていない行動様式だったのは上述の通り)ピースボートの推薦人でもあるプロパガンダキャスター(笑)の筑紫哲也が今,「なんでや!」などというタイトルで,一生懸命自衛隊のイラク派遣に反対の世論誘導放送をしている.
 辻元清美が内縁の夫と言われる赤軍の北川明氏の経営する薬物関係のことなど反社会的な書物を出版している第三書館から出した「なんでやねん」に習ったのかわからないが,いずれにしても似た者同志なんだろう.
 自衛隊のイラク派遣には何の問題も無いとは言わないが,社民党のバカオバタリアンは論外なのでどうでもいい(笑)としても,政権政党を狙う民主党までも自民党が推進者ということで反対しているが,言っていることを聞いていると,昔の社会党に似てきたと思うのは吾が輩だけじゃなかろう.
 カンボジアPKO活動の頃は,「戦闘地域かそうでないか」などという論争は行われず,自衛隊が海外に出張ることだけで反対している人が多かった(ここで,先ほどの『ああ、堂々の自衛隊』にあった宮島氏の写真を是非見てもらいただきたい).
 左巻きの活動をするおバカ人間に限って「市民団体」を名乗るが,「市民団体」なんぞと名乗っていること自体が,自分たちの思想と違う相手を一般市民と認めず,右翼だとか軍国主義者のように決めつけた排他的連中であることが多い.
 この「市民団体」とやらが,現在でも「おーい!帰ろうよ!!軍隊でカンボジアのほんとうの平和は生まれない.日本軍=自衛隊の海外派兵反対!」と考えているのか,「若気の至りで恥ずかし〜!」と思っているのか知らないが,世論が変わって来た昨今,余程の左巻きの人間でもない限り,PKO活動そのものに反対する人間は少ないだろう.
 「軍隊でカンボジアのほんとうの平和は生まれない」と言っているが,「お前らのやっていたことで平和が生まれたか?」と逆に聞いてやりたい(因みにこの写真の下には,「おのれの頭はこれでいいのか?の『市民連合』のみなさん」という注釈が入っていた=笑).
 この「市民団体」やピースボートの連中を見ると,「わざわざカンボジアに行ってそんなことをしているなら,スコップ持って手伝っとけ!」と言いたくなる.

 ニュース23の「なんでや!」というのは,これに近いアホな特集だと思うが,筑紫キャスターのしたり顔に騙されてしまう人も多いのかと思うと,マスコミによる世論誘導には恐ろしいものがあると言わざるを得ない.
 流石に最近は「危険な場所だからこそ,自衛隊が行くのだろう.危険な場所と言っておきながら,そこに民間人を行かせるのか?」と言う人が増えたため,今度は「戦闘地域と非戦闘地域が…」と次から次へと論点すり替えをしているのだろう.
 こうなるとマスコミも自分でも何を目的として反対しているのかわからず,自分の「感情」に対して後から理論付けを行っているに過ぎないのだろう.
 事実,人間は自分の感情的な行動に後から理屈をつけるらしい(ここで詳しく書く余裕はないが,興味があるなら,精神医学関係の本でも読んでいただきたい).
 民主党は政権政党になりたい焦りによって,やみくも何でも反対していることから国民の信頼を失いつつあると思うので,吾が輩の予想では,参院選で惨敗するのではないかと思う.勝つためには,マスコミが社民党から民主党に乗り換えた偏向報道にかかっているかもしれない(笑).
 こう書いていると,吾が輩が自民党支持者だと思われそうだが,実は吾が輩は自民党が大嫌いであったし,今でも好ましからぬ面を多々感じている.
 しかし,ベストという選択ができない時には,ベターな方を選択するしかないと割り切ってもいるので,第2自衛隊を提案したり,できもしない自衛隊派遣反対を唱えたりしている旧社会党系議員が多い民主党では…と,最近は自民党に投票してしまっている.
 そういう意味では,ここ最近は自民党支持者であることは間違いないが,別に自民党が好きなわけではないし,旧フォークソングの世代にもかかっているので,危うく?左巻き反戦主義者になりそうだったくらいだ.

 吾が輩は理科系だからというわけでもないが,もともと歴史や社会に対する興味がそれほど無かったのだが,ちょっとしたきっかけで,歴史小説などを読むようになってからは,段々現代社会の政治などにも興味を持つようになり,マスコミの報道がかなり酷いものだと気付くようになった.
 大体,「小泉首相は自衛隊派遣は死者が出るかもしれないけれど,出た場合は仕方が無いとでも言っているようだ」などという意見を聞くと,思わず「あんたアホか?」と聞きたくなってしまう.
 政治家の場合,こういうことを言うとマスコミの格好の攻撃の的になるので,建前上露骨には言えないだろうが,「自衛隊派遣は死者が出るかもしれないけれど,出た場合は仕方ない」と言いたいだろう.なぜならそれが当然ではないのか?
 これも最近,言う人も増えたが,「では,危ないから消防士を火事現場にやるな」と言うのかということになる.
 勿論,最善を尽くして1人の死者,怪我人も出ないようにすべきなのは当然だが,「派遣を阻止すべき」理由が「死者が出るかもしれない」というのでは,日本だけが「危ないから行かない」という理由で国際貢献をしないで済ませということか?
 そう言えば,すぐ「別の方法で…」などと言う輩がいるが,「別の方法」とは何か?金で済ますというのだろうか?
 別の観点から見れば,「日本は金を出すから,危ないところへはキミタチ(他の国)行ってチョ」とも取れる.
 「自衛隊は日本国内で,武力を持って攻撃された場合に限り武力を持って応戦して,日本国内を防衛する為,あるいは災害の復旧に当たるのであって外国へ派遣すべきものではない」というのは,憲法第9条を金科玉条とした台詞だが,この理屈だけならPKO活動にも反対となる.まぁ,反対も一つの意見だが.

 最後の砦?として,「法整備が云々…」と言うのが出てくるが,これまでも自衛隊の海外活動や武器使用をタブー視し続けてきて,時代の流れに適応できないようにしてきた輩がまだ言うかという感じである.
 それなら,決して小さいとは言えない国力を持つ日本は国際貢献をしないでいいということなのか?
 一度,筑紫哲也氏や菅直人氏に小一時間問いつめてやりたい気がする.
 そもそも,時代は変わっているのだ.帝国主義侵略戦争が盛んな時代はもはや過ぎてしまい,冷戦も集結した.
 「なんでや!」のように「あなたは国のために人を殺しますか?」なんて言うのは,もはや馬鹿というよりキチガ○の論法である.
 わかり切ったことだが,自衛隊は戦争に行くのではなく,インフラ整備に行くのだ.
 「戦闘地域か否か」などと言うのは,もはや「言葉の遊び」でしかない.
 屁理屈で応酬すれば,「日本国内でも暴力団同士の抗争などで真っ昼間から拳銃をぶっ放し,民間人までもが巻き添えになって死んでいるが,そこを戦闘地域とは言わないだろう」と抗弁もできるが,そんな屁理屈を言い合っていても仕方ないだろう.
 いくら日本の治安が悪くなったと言えども,イラクが日本に比べて著しく治安が不安定地域であることは間違いないが,フセイン政権が倒れた以上,戦争そのものは終結しているというのを全面的に否定するのもまたおかしいだろう.
 実際問題としては,そのような危険地域に武装せずに行けないし,テロリストに襲われたから応戦したと言って,国外で武力行使するのは云々言うのは時代錯誤のように思う.
 確かに日本は,「紛争を解決するための武力行使」としての戦争を放棄しているが,ここでいう戦争とはそもそも,「話し合いでは到底決着がつかない場合の紛争解決のための武力行使(ということで,戦争は国際法上の合法とされる)」であって,テロリストから狙われたことに対する正当な自己防衛が「紛争を解決するための武力行使」なのか?
 それが,日本の右傾化だの軍国主義につながるだろうか?警察官が生命の危険にさらされた場合の拳銃使用と変わらないだろう(福島瑞穂氏などは,「殺される」のが警官の「職務」と言ったそうだが).

 明治維新の時に「開国」を唱えた人間に,鎖国派が文句を言っていたのを現代人から見れば,「時代の流れが見えていない」と思うのと同様,時代の変化に関わらず,同じ視点からしかものを見られない人間は後で見ると,「おーい!帰ろうよ!!」と同様な滑稽さになるのではないかと吾が輩は思っている.
 吾が輩のコラムを鵜呑みにしろとは勿論言わないが,マスコミが言っている台詞の受け売りを主張したサイトや掲示板の書き込み,テレビのインタビューへの回答などを見ていると,マスコミの影響は本当に恐ろしいと感じる.
 マスコミや野党は,「自衛隊が危険地域に行くのは可哀相」的なことを言っているが,これまでけなしていた自衛隊のことを急に「可哀相」などと言い出したのは,自民党を攻撃したいためだけで,そのためには,密かに自衛隊に死者が出るのを期待しているのではないか?といった声さえも聞かれるが,これをあながち「下衆の勘ぐり」と言い切れないような気さえする.
 憲法9条は「紛争を解決するための武力行使を永遠に放棄する」とあるので,自衛のための武力行使なら違憲ではないと解釈されるようになった.だが,「言葉の遊び」はもういい.単純に考えて,イラクへの自衛隊派遣は軍国主義復活になるか?否だと思う.では,国力に見合った国際貢献をすべきか?当然であろう.身に及ぶ危険に対し,武器による反撃は可か?当然,可だろう.
 ボブ・ディランではないが「時代は変わる」.世界情勢が変わりつつある時に言葉の遊びをしている場合か?と吾が輩は思うのだが.