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【明日へのセーフティーネット】再生の手がかり(5)「告発力」 (2/2ページ)

2008.4.13 08:39
このニュースのトピックス「明日へのセーフティーネット」

 それは「自分は血縁には薄かったが、他人の縁には恵まれた」と生い立ちの別の側面を自ら確認する機会にもなった。施設の園長、指導員、季節ごとに里親として自宅に受け入れてくれた元高萩市長…。肉親ではなくとも、支えてくれる多くの人の存在に改めて気がついた。

 「子供にとって大切なのはかかわる人。かかわり合いの量が、愛情だととらえることができます。われわれの世代に比べても今の子供たちはその量が激減している。いまこそ、親子軸、親族軸、地域軸のすべてで愛情の基軸を再生すべき時代だと思います」と話した。

 古い歴史があり、かつては炭鉱町としても栄えた高萩市だが、近年の地盤沈下は著しい。現在の市の姿はかつて孤立無援とも思えた自分の姿に重なる。自分が支えられたように、今度は支えようとする側になりたい。

 市長就任から1年9カ月は長年膠着(こうちゃく)していたごみ処理新施設整備の関連予算を僅差(きんさ)ながらも市議会で成立させ、10年ぶりの企業誘致にもこぎ着けるなど業績を積み上げつつある。草間氏は「市民の気持ちにまず火をつけたい。自然にも歴史にも恵まれた高萩には十分チャンスがあると思うんです」と語った。

 社会にはさまざまなセーフティーネットが張りめぐらされている。その理念は「支え合い」だ。自らが支えられていることに気づき、支えようとする側に立とうとする人が増えない限り、ネットは広がらない。草間氏の「転換」の経験はセーフティーネット再生のヒントかもしれない。=おわり

(第3部はは堀洋、山口敦、河居貴司が担当しました)             

 この連載は産経新聞朝刊(大阪本社発行)に平成19年12月に掲載されました。年齢、肩書きは掲載当時のままです。

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