札幌市立中学校の男性教諭(30)が昨年10月、顧問を務めていた運動部の活動便りで、当時1年の男子生徒を名指しし、人格を傷つける内容を記していたことがわかった。生徒は便りが配布された後にいじめに遭うようになり、不登校になっている。学校側の対応も鈍く、生徒は現在も学校や市教委のカウンセラーに面会できない状態が続いている。
市教委によると、教諭は昨年10月2日に発行した便りで、生徒について「小学生レベル」「わがまま」「上達はありえない」などと指摘した。便りは部員全員に配布された。その後、生徒は墨汁をかけられるといういじめに遭い不登校になった。
学校側はこの間、便りの存在に気付いていたが問題視せず、今年2月に生徒の保護者の指摘を受けてようやく便りについて「教育的配慮を欠いた」と認め、全部員の保護者に文書で謝罪した。教諭は3月に運動部顧問を辞任し、4月1日付で別の中学校に異動。市教委に対し「配慮が足りなかった」と反省しているという。市教委は教諭の処分を検討している。
市教委は学校について「便りが配布された段階で対応すべきだった」と指摘。「不登校解決のため、学校とともに誠意をもって対応したい」と話している。【内藤陽】
毎日新聞 2008年4月9日 地方版