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【社説】「金さえあれば…」という若者が米中日より多い韓国

 財団法人日本青少年研究所が韓国、米国、日本、中国の高校生1000人から1500人を対象にアンケート調査を行ったところ、「金持ちになるのが成功した人生」と回答した学生の割合が、韓国では50.4%で日本の33%、中国の27%、米国の22.1%よりもはるかに多かった。「金を稼ぐためにはどのような手段を使ってもよい」という回答も、韓国は23.3%で、米国の21.2%、日本の13.4%、中国の5.6%よりも多かった。「金で権力を買うこと ができる」という回答も米国、日本、中国は30%前後だったが、韓国は54.3%にも達した。

  韓国の若者たちの考え方がなぜこのような状況になってしまったのかは、現在韓国社会で何が起こっているのかを考えれば分かる。韓国最大の財閥が違法に裏金をつくっただけでなく、捜査機関に対してはこれまた違法に買収を行おうとしたという疑いが持たれている。別の財閥の総帥が息子の復讐(ふくしゅう)をするために、暴力を振るって逮捕されたのもつい先日のことだ。学歴詐称、論文の盗作などは日常茶飯事のように起こっている。政治家や企業経営者たちが、 何をどれだけ受け取ったというのは遠い昔のことではない。若者たちがこれらの状況を見て、「世の中とはこういうものなんだ」と考えるのも無理もない話だ。

 何をするにしても金さえ集めればよい、という考え方が支配的ならば、社会という共同体を動かす基本的な道徳や規則、倫理がその機能を果たしていないということになる。一昨年韓国青少年開発院が韓国、中国、日本の3カ国の若者に対して行ったアンケート調査で、「戦争が起こったらどうするか」と質問したところ、「前線で戦う」という回答が日本は41.1%、中国は14.4%、韓国は10.2%だった。閣僚や次官、国会議員の中には、どう考えても納得できない理由で兵役免除を受けたという人間が珍しくないのが韓国だ。先進国では想像もできないことだ。

 大韓民国の未来は、 若者が何を考え、どのように成長しているのかに懸かっている。金も大切だが、世の中には金よりも貴重で価値あるものが必ず存在する。金を稼ぐことに劣らず、どうやって手に入れるのかが大切だという常識が息づく社会が健康な社会だ。韓国の若者たちがこのような真実に目覚めるには、社会の指導的立場にある大人たちが、実践と模範を示すしかないのだ。

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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