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【主張】民主党電話疑惑 政治的圧力の真偽解明を

2008.4.10 03:54
このニュースのトピックス国会

 日銀人事をめぐり、副総裁候補だった前財務省財務官の渡辺博史一橋大教授に民主党の山岡賢次国対委員長が電話をかけ、副総裁起用に反対すると通告していた疑惑が浮上した。

 渡辺氏の人事案が正式に提示される前の話で、事実であれば候補を辞退するよう圧力をかけた言語道断な行為だ。

 すでに衆参両院の議院運営委員会などが調査に動きだしている。事前の圧力があったとすれば、日銀の独立性に対する政治介入そのものであり、国会同意人事の形骸(けいがい)化にもつながりかねない。民主党としても事実関係を明らかにすべきである。

 この問題は、8日の参院議院運営委員会での所信聴取でも取り上げられており、渡辺氏自身は事実関係についてコメントを避けている。また、山岡氏は「プライベートなこと」として詳細を明らかにしていない。

 しかし、民主党幹部は山岡氏から渡辺氏への電話があったこと自体は認めている。山岡氏は自ら、電話の目的や具体的に何を伝えたかについて明らかにする必要があろう。

 副総裁人事については、9日の党首討論でも取り上げられ、福田康夫首相は、最終的に渡辺氏への不同意を決めた民主党の対応を厳しく批判した。

 首相は、参院で多数を得た民主党は権力の一つを得た存在として、政治を前進させる責任があると主張したうえで、人事権を人質にとった対応は「権力の乱用だ」とまで述べた。

 民主党の小沢一郎代表は財務省出身者が固定的に日銀総裁、副総裁ポストに就くことが「天下り」にあたると反論した。

 基本的に人事権は政府にあり、著しい問題がない以上は同意してほしいと首相は率直に述べた。

 民主党では渡辺氏への同意を認める意見も多かった。最終的に、執行部がこれを覆す決定をしたことから、参院本会議では同党から賛成、棄権などの造反者が8人にのぼった。

 小沢代表は、適材適所の人事を否定したことへの異議が示されたと重く受け止めるべきだ。

 法案や人事案件の取り扱いを政局の思惑最優先で判断することの誤りに加え、渡辺氏への事前電話疑惑が、もし参院で多数を得た権力のおごりから生じたものだとすれば、由々しき事態といえる。

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