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子ども相談室:生後すぐ、先天性股関節脱臼の疑いと言われた=小児科医・加部一彦

 ◇Q・生後すぐ、先天性股関節脱臼の疑いと言われた

 初孫の男児。帝王切開で生まれました。生後4日目に先天性股(こ)関節脱臼の疑いがあると言われました。左側の骨盤です。手術が必要でしょうか。また、後遺症は残るのでしょうか。(京都府、祖父母)

 ◇A・早期治療で後遺症なし 専門医と十分に相談を

 「先天性股関節脱臼症」は、「生まれた時から股関節が脱臼している病気」と思われがちですが、3~4カ月健診で分かることが多く、出生後すぐに完全に脱臼していることはむしろ少ないと言われています。

 股関節に限らず、出生時には関節は未完成な状態で脱臼しやすいのです。股関節は、出生後に下肢を無理に伸ばすことなどによって脱臼がだんだん進むと考えられます。赤ちゃんをあおむけに寝かせた場合、下肢がMの字の形になっている状態、つまり「股関節をひらき、ひざを曲げた」状態が最も自然な姿勢で、股関節脱臼を防ぐ効果もあります。赤ちゃんの股関節の開きが悪い時、赤ちゃんの脚がいつも「Mの字」に開くようにおむつのあて方を工夫します。

 股関節脱臼は、程度によって関節が完全に脱臼している▽外れかかっている(亜脱臼)▽股関節の一部の発育が悪い(股関節臼蓋(きゅうがい)形成不全)--の3タイプがあり、男の子よりも女の子に多く見られます。

 通常、赤ちゃんは股関節脱臼を起こしていても泣きません。健診以外では左右の足の長さや太もものシワの数の違い、おむつを換える際に脚の開きが悪い、脚を開くとポキポキ音がするなどで気が付かれます。生後半年以内に診断され、適切な治療をすれば、後遺症を残すことはほとんどありません。治療は、まずリーメンビューゲルというバンドを装着します。股関節の変形がひどいなど、手術が必要な場合もあります。専門医と十分相談してください。

毎日新聞 2008年4月13日 東京朝刊

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