府警は11日深夜から12日未明にかけ、府内の幹線道路など76カ所で、飲酒検問をした。昨年の大阪の飲酒運転の検挙数は6318件で、4年連続で全国最多。特にバイクやミニバイクによる死亡事故の増加が目立ち、府警は注意を呼びかけている。
堺市堺区翁橋町の国道310号。午後11時すぎ、検問場所を走り抜けようとしたミニバイクの男性(21)が制止された。口から酒のにおいがする。呼気検査ではアルコールはほとんど検知されなかったが、男性は「4時間前、ビールをコップ2杯飲みました。すいません」とうなだれた。府警は飲酒運転で49人を検挙、72人に警告をした。
府警によると、大阪の飲酒運転は長年、全国的に見て多い。福岡の幼児死亡事故(06年)など飲酒運転による重大事故が社会的な注目を集め、昨年9月に罰則が強化された影響などで、昨年の検挙件数は前年より26・8%減ったものの、依然として多い傾向という。
乗用車やバイクの飲酒死亡事故は、全国平均では前年比3割減だったが、大阪では同3割増の36件に上った。増加分はすべてバイクとミニバイク。取り締まりの強化などで、今年は昨年を下回るペースだが、府警交通総務課は「自転車感覚でバイクに乗り、軽い気持ちで飲酒運転をしてしまうのではないか。啓発にさらに力を入れたい」としている。【久木田照子】
毎日新聞 2008年4月13日 地方版