中国のチベット自治区で今月住民たちの暴動(ぼうどう)が起き、大勢の人たちがなくなったりケガをしたりしました。
どうしてこんなことが起きたのでしょう。
暴動が起きたのは、中心都市のラサです。それ以外にも四川省や青海省などで暴動が起きました。いずれもチベットの人たちが大勢住んでいるところです。 実はチベットはずっと昔はいまよりもっと広い面積をもつ国でした。7世紀には大きな王国を建てています。そんなチベットの人たちは独特の文化を持っています。
とりわけチベット仏教といわれる宗教を、みんなが熱心に信じていること、これが大きな特徴(とくちょう)です。
でもダライラマ14世はいまチベット自治区にはいません。どうしてなのでしょう。
50年以上前、中国は突然、チベットに軍隊を送り込んできて、チベットを支配しました。
ダライラマ14世が中国政府に連れ去られるのではないかと心配した大勢の人たちが軍隊と対立したのです。「自分がここにいると犠牲者がさらに増える」と考えたダライラマ14世は、チベットを離れてインドに脱出しました。そして、インドで亡命政府を作りました。 ダライラマがいなくなったチベットでは、「チベットを近代化する」という中国政府の方針で、みんなが大事にしているお寺がこわされたり、中国の支配に反対したお坊さんが、牢屋に入れられたりしました。 また、道路や鉄道が敷(し)かれてチベットの開発も進みましたが、「豊かになったのはチベットにやってきた中国の人だけで、自分たちは貧しいままだ」と考える人たちもいて、人々の不満はいまもずっと続いているのです。
しかし中国政府は、ダライラマの主張は認めません。
世界の見方はというと、中国に対して、アメリカやヨーロッパでは批判(ひはん)も強まっています。
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2008/03/29 放送(内容は放送時点でのものです)
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