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2008/04/12

上海の税金は日本人が払ってる

兵頭28号先生の「2011年・日中開戦」なんだが、本を送っていただいたので、面白く読ませて貰った。

2011年日中開戦 (SUN MAGAZINE MOOK) 2011年日中開戦 (SUN MAGAZINE MOOK)
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2008-04

アレだな、「気分はもう戦争」ってのがあったんだが、あんな感じではある。で、本というのは読んでみないと判らない部分というのがあるもので、もちろん漫画のストーリーは面白いんだが、所々に入っている中国に関するコラムが興味深かった。別宮暖朗という人が書いているんだが、

公務員の収入はフリンジベニフィット(給与街給与)が大宋であり、給与は低く抑えられている。つまり大半の国民の給与は免税点に達せず無税である。一方、年収四百万だと税率は八割に達する。このため、日本人など外国人にたいする所得税は過酷なものになる。収入のある外国人が多数住む(といっても五万人程度だが)上海などでは、外国人と外資系従業員からの莫大な税収(中国的基準から)が期待できる。一説では、上海市の税収の大半は、日本人(外国人のうち五割を超える)と外資系企業従業員によって支えられているという。

おいら、ずいぶん前に書いたんだが、しばらく前に日本と中国の関係がギクシャクしていた時期というのがあったわけだ。酔っぱらうと炭坑節を日本語で歌う、日本の工作機関の特務員の息子、江沢民というオトコがおりまして、

アレだ、よくTVに出てくるリチャード・クーというのがいるんだが、アレのオジサンというのが台湾財界の大物、辜振甫という人なんだが、APECの台湾代表として江沢民と接した時に見たらしい。で、表向きは日本を叩いて大喧嘩して見せて、それで国民を騙し、アメリカを騙し、裏ではコッソリ、上海開発やっていたわけだ。日本は経済的に大きくなりすぎてアメリカに睨まれていたし、中国と日本が蜜月でウハウハです、順調です、とやっていたら、今ごろアメリカに潰されていただろう。

で、中国ではほとんどが国営企業だったので、国営企業というのは基本的に「儲けは会社内部で分配してしまって税金を納めようとしない」性格を持っている。ぶらさがって生活してるヤツが多すぎて利益なんか出ないわけだ。社会主義なので当たり前なんだが。で、農村の生産性が物凄く悪くて、一世帯が平均して1.5世帯分の生産性しかないそうで。アメリカは50世帯分の生産性だというんだが、自分が食うのがやっとなので、税金どころじゃない。つうか、江戸時代の日本の農村でさえ、収穫の半分を税金で納めるくらいの生産性はあったわけで、そうした極端に生産性の悪い中国社会が、そのままでは近代化なんか出来なかったというのが判るわけだ。今の中国の「繁栄」というのが、実は、日本人と日本企業の手によって作られたというのが判る。だから、
上海市の税収のほとんどは日本人の手柄という結果になるわけだな。

というようなわけで、この本は面白い漫画だけでなく、興味深いコラムも楽しめてお得というわけです。で、どこが版元なんだろうと思ったらマガジン・マガジンという会社で、サン出版系列のようだ。サン出版というのは大昔からある由緒正しいエロ本屋さんだったんだが、今ではあんまりエロ本が売れないので、エロじゃない本も出しているようです。エロ本屋さんというのは割と仕事はマジメにやるので、この本も単なる感情的な中国叩きではないのでお薦めです。ついでにコラムを書いた別宮さんの著作ももっと読みたくなったのでとりあえずAmazonリンク貼っておきます。

コメント

 軍事関連の知識が豊富な人には、もともと武器・兵器に対する興味があり、武器・兵器に関連する歴史とか、政治的な話題をしらべていって、広く軍事面の知識を持つようになった人が多いように思われます。

 別宮暖朗は、こういう、武器・兵器から軍事への興味がはじまった人とは違って、初めに政治・外国文化への興味があり、法律文化や、その背景となる歴史への知識を深め、そして、人間の歴史の中で重要な役割を果たしてきた武器・兵器についても情報を入手した、というタイプの方ではないでしょうか。

ですから、別宮暖朗が著作にしめす、歴史のながれや、戦略・作戦等に対する解釈には、既存の「歴史観」に囚われぬ、意外な、しかし冷静に考えると説得力があり、見方の一つとして有力だと思われる視点がしばしばあります。

しかし、別宮暖朗が記す、個々の兵器に関する情報には、普通の軍事マニアが想像できない誤りが散見されたりします。

「旅順攻防戦の真実」は、19世紀終わりから20世紀初めのおおむね日露戦争と同時代の世界の戦例に関する情報を紹介し、これら総合的な視点から、野戦とは違う要塞・局地戦に対する新たな見方を提示しています。
日露戦争の旅順戦に対する視点として非常に興味深い本でした。

しかし、「日本海海戦」の方は、私などは艦砲射撃に関する記述に疑問を持ってしまった次第です。ただ、バルチック艦隊の指揮官だったロジェトヴェンスキーの経歴に関する記述がこれだけ詳しい日本語の著作を、私は他に知りません。

今日のエントリーも為になります。多謝。
フリンジベネフィット/供与外給与ーー以外は。

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