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「中国の恫喝」と情けないニッポン（週間ポスト2008/3/21号より抜粋）
●「レアメタル輸出制限」でハイブリッド車を「人質」に
中国は日本の産業界にも手を伸ばしていた。「ギョーザ問題が噴出して以降、中国はレアメタルの輸出制限を蒸し返してきた。」
経産省幹部は困惑した口ぶりで語る。
タングステン、インジウムなどのレアメタル（希少金属）は素材の強度や合金の融点を高めるなどの特性があり、日本はほぼ１００％を輸入に頼る。
これらの供給が減少した場合、とりわけ深刻な問題を抱えるのが、トヨタ自動車に代表される日本の自動車メーカーが世界をリードするハイブリッド車（ＨＶ）なのだという。『エネルギー争奪戦争』（ＰＨＰ研究所）の著者で丸紅経済研究所所長の柴田明夫氏が解説する。
「ＨＶの燃料電池の電極にはレアメタルの一つである『レアアース』が使われており、これが手に入らなければＨＶは動かない。世界のレアアースの９割を産出する中国の輸出制限は、トヨタを人質に取ったことに等しい。」
大手自動車メーカーの技術者も心配の声を漏らす。
「ボディなどの特殊鋼板にもレアメタルを混合させた合金添加剤が使われており、強度や加工性を高めています。ＨＶに限らず、”日本車の高品質”を誇れるのは、この特殊鋼版の差なのです。」
９０年代、中国は��小平の「解放政策：のもと、外貨獲得の国策としてレアメタル輸出を位置付け、輸出の免税制度まで敷いていた。だが、００年前後のＩＴバブルで世界的な需要が高まると、”中東有石油、中国有希土（中東には石油、中国にはレアメタルがある。）”のスローガンを打ち出して免税を撤廃し、一昨年にレアメタルの輸出関税を１０％に引き上げ、今年１月にはさらに最大２５％とした。
こうした事態に日本のメーカーが手を拱いていたわけではない。かねてからトヨタの奥田碩・相談役（内閣特別顧問）は「レアアースを鉱山ごと買い取れないか」と発言し、渡辺捷昭・社長も昨年５月の決算説明会で「リスクは車を作れなくなること」と、資材調達の懸念を表明していた。昨年末の福田首相の訪中に奥田氏と渡辺氏が同行したのも「レアメタル対策」と見られている。
「この時、胡主席は福田総理に”日中の共通利益は拡大している”と述べ、われわれを安堵させたのに、舌の根も乾かぬうちに輸出規制に動き出した。」（前出の経産省幹部）
つまり、従来の「高く買え」ではなく、「売らない」という”最強硬手段”に出始めたというわけだ。トヨタは、「レアメタルの輸入量などは公表していない。」（広報部）というものの、同社の資材担当幹部は「関税が高くなっても、わが社には対応する体力がある。だが、輸出制限で量が減らされたら死活問題だ。」と口にする。
レアメタルは携帯電話の液晶や電池、パソコンの基盤などの製造にも不可欠であり、輸出制限は自動車産業界だけでなく、ハイテク産業全体にも影響を与えそうだ。
「毒ギョーザ批判封印」と「日本の技術力維持」をハカリにかけさせるのも、中国のお得意の「外交」戦術の一環なのだ。
引用ここまで
下記関連記事でも取上げたが、毒ギョーザ問題でピンチになりつつある中国が、ついにレアメタルという外交カードをちらつかせ始めた。食料品の供給元にしても、生産拠点にしても、中国の代わりになる国はいくらでもある。だが、レアメタルだけは簡単に代わりは見つからない。日本にとって最も痛いところである。
新たな供給元の確保と、リサイクル体制の確立は喫緊の課題であるが、日本人でこの危機を認識している人は少ない。国策としてレアメタルを海外に流出させないよう手段を講じるべきだろう。手を拱いていては、資源ゴミが中国に流れていくだけである。
※関連記事
中国、レアメタルの見返りに製造ノウハウを要求
http://blogs.yahoo.co.jp/naojuv/54378648.html
中国が希土類、希産鉱物輸出統制…韓国企業非常事態に
http://blogs.yahoo.co.jp/naojuv/49676747.html
中国、レアメタルの輸出規制強化
http://blogs.yahoo.co.jp/naojuv/46009907.html
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トラックバック（1）
こういうこともあったんですね。専門家でないので詳しくは知りませんが、『レアアース』は支那以外では入手困難なのでしょうか？確かにハイブリッド車が生産できないとしたら痛手ですね…
だからと言って支那のメチャクチャな要求に従う訳にはいきません。
傑作☆
2008/3/12(水) 午後 4:37
カラカラ帝、おっしゃる通りで、中共に屈しない為にも、この弱点を早急に克服しなければなりません。
傑作ありがとうございます。
2008/3/13(木) 午前 10:27 [ naojuv ]
友人が中国に工場を持っていましたが、今回韓国に移しました。今後は台湾と交渉を行うようで、台湾の会社を紹介しました。ＴＯＹＯＴＡと言っても殆んどはその下請け業者が請け負っているのが現状で、ＴＯＹＯＴＡの儲けは一緒で、下請けがカットされている事も伺いました。厳しいのはＴＯＹＯＴＡでは無く「下請け」と言うのが正しいですね。
ただ、窓口だけは中国に残して有ると聞きました。
なんだかんだ言ってもＴＯＹＯＴＡは儲かるようになっているようです。中小企業が辛いですね。
日本の中小企業が中国に頼らず、早く立ち直るような政治をして欲しいものですね。
2008/3/13(木) 午後 5:02
中共の資源をアテにした開発が、そもそもの出発点の間違いですネ・・
この期に及んで相変わらずノコノコと財界人が北京詣でを繰り返しているとは・・
矢張り、リーダーこけると国滅びます(ToT)ポチ♪こうもり
2008/3/13(木) 午後 5:55
中国はインチキ、デタラメ、いい加減の三拍子揃った国です。
こんな国に幻想を抱いて国益を裏切って加担した守銭奴経営者どもは思い知ったか、と言う感じですね。
損害はその守銭奴経営者どものポケットマネーから出させるべきです。
つまり、中国はリスクだらけの国と言う事ですね。
傑作
2008/3/13(木) 午後 10:34
tackeykanさん、そういう状況ですか。中国にしても人件費、原料費が上がっていると聞いています。トヨタの言う体力とは、利益の縮小を下請けに押し付けて成立しているのかも知れませんね。コストが安いという数少ないメリットが無くなりつつある以上、企業は中国を離れることを早急に取り組んでもらいたいですね。弱みを握られて逃げられない企業もあるかも知れませんが・・・
2008/3/13(木) 午後 11:53 [ naojuv ]
こうもりさん、おっしゃる通りで、別の方法でレアメタルを確保する努力をすべきでしょう。レアメタル供給の見返りに沖縄を割譲しろと言ってきたら売り渡しかねませんね・・・傑作ありがとうございます。
2008/3/13(木) 午後 11:54 [ naojuv ]
千葉日台さん、中国に進出して損をした企業は自業自得でしょう。彼らの為にどれだけ国益が失われたか。今後は反面教師として中国進出はやめるべきでしょうね。傑作ありがとうございます。
2008/3/13(木) 午後 11:57 [ naojuv ]
売る方が、「売らない」と決めたら諦めるしかないです。
ハイブリッド車（ＨＶ）、携帯電話の液晶や電池、パソコンの基盤などの製造は断念するしかありません。
ない物や、将来なくなる物は、しょうがないでしょう。
代替素材を研究開発してみて、それでも駄目なものならしょうがないです。
キポツ
2008/3/15(土) 午前 1:46
coffeeさん、石油にしたっていずれ無くなるのですから、そういう考え方に変える必要があるでしょうね。ある物、出来るもので作れるように転換が迫られることになるでしょうね。
傑作ありがとうございます。
2008/3/15(土) 午後 5:59 [ naojuv ]