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2008年4月10日 (木)

やはり農業は旬である

様々な情報が氾濫する昨今、ついこの間まで話題になっていたことが、次々と新しい話題に推されて消えています。そんな中で実施した農業をトピックにしたセミナーですが、結果的には大成功でした。

会場に限度があり、20人程度の参加した見越していなかったのですが、当日は満員。それ以上に、反響に驚いている次第です。

それにしても、慌しい一週間だったなあと思います。4月5日開催のセミナーの前には、ある外食産業でのプレゼンテーション、セミナー当日の午前中には、日本を訪問中のセワランカ財団の会長と対談し、午後には農業セミナー。

農業セミナーでは、当社で提供している農業スクール及び食品残渣リサイクル塾のプロモーションを目的に、日本の抱える農業問題について語り合ったのですが、参加者の方々のモチベーションに改めて、この問題の根の深さを感じた次第です。

プレゼンでは、パートナーの東條さんが政策サイドからの視点から日本の農業を語り、私はむしろ消費者の視点から見た際の農業問題と消費者の立場から出来ることについて語りました。

トレーサビリティーやオーガニックが強く叫ばれる日本の消費者市場ですが、はっきり言えば、生産者の顔写真入りの商品やオーガニックと記してある商品を選択するという程度でしか、食品業界へのメッセージを伝達出来ていないのが現状。はっきり言えば、受動的立場でしか、食糧問題という根幹の問題に対して、消費者の立場から対応できていないのが事実。

私は、日本人と農業の距離という観点から、農業を身近に感じるライフスタイルの構築、生産から消費までしかカバー出来ていない日本のトレーサビリティー現状に対して、リサイクルを加えた本当の意味での「追求可能性=トレーサビリティー」の構築、それを根底にしたコミュニティの構築、そしてそのようなステップを前提とした本物のおいしさを追求する消費者の側からの市場構築=ブランドの構築の必要性を訴えました。

つまり、ライフスタイル→コミュニティ→ブランドというステップの提言と、それを基にしたA Network Projectのスタート宣言です。AとはAgricultureのAに他なりません。

その後の質疑応答も盛り上がり、20人という少人数にもかかわらず、強力なサポーターを手に入れたという手ごたえを感じた次第です。今回出席した方々は、政界でも経済界でも相当な地位を築いている方々がいらしたこともあり、一ヵ月後のセミナー開催と今月からの農民スクール(エコ農民塾)の発足を誓い合い、貴重な一瞬を共有することが出来ました。

さて、企業の側も黙っているわけではありません。私は常々、企業の経営戦略と密接に結び付いた戦略CSRの必要性を説いてきましたが、昨今いろんなスキャンダルに悩まされている食品業界だからこそ、そのような考えに共鳴しているとの実感を得る機会に恵まれました。

例のスリランカの事業で、ある外食産業を訪れて実感したことなのですが、食品業界はすでにその考え方を受け入れるメンタル的な準備を有しているだけでなく、実践していることに気付かされました。

例えば、ある外食産業は、日本でも有数のNGOが実施している農業事業への大々的支援を実施しています。このNGOは、東ティモールというところで、コーヒーの栽培支援事業を行っています。日本市場への普及を狙っての事業なのですが、実際はまだまだ生産管理の面でも、商品の質でも、市場に出すレベルには到っていません。

しかし、この外食産業は、数年後にそれがしっかりとした商品になることを見計らって、支援を続けています。ただの支援ではなく、プロジェクトが完遂した際、その商品の取り扱いは、その外食産業が一手に引き受けるとの契約の元においての支援です。はっきりと言えば、先行インベストメントです。

メイン事業のフィールドにおいて、数年先の利益を見越した戦略と企業イメージの向上を狙った先行投資、そして新規の市場開拓を見越した先行投資を実施する、このような企業が実際に日本にも存在するわけです。

私も今回、ある外食産業でスリランカの事業についてのプレゼンテーションを行ったのですが、結果として、潜在的商品の紹介を目的に、短期的、長期的、双方においての戦略的パートナーの構築が叶うことになりました。セワランカの会長が歓喜したのは言うまでもありません。

社会事業プロデューサーとして、多方面での活動を実施してはいますが、まずは、農業・食料という分野での大きなうねりを実感している次第です。スリランカの事業も、紆余曲折はありましたが、支援事業ではなく、ビジネスにこだわった甲斐をまずは感じている次第です。

明日は、米を利用したバイオマス会社とのミーティング。企画中の全てを実現するのは、当然時間はかかりますが、一つ一つ実現の段階が近づいていることに、社会事業をプロデュース・プロモートしている立場としての、少しばかりの幸せと希望を感じているところです。(坂井)

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受信: 2008年4月10日 (木) 14時39分

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