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2008年4月 8日 (火)

ガソリン税と環境問題、あるいは家族の幸福について

ガソリンが安くなって初めての週末、
いつもよりクルマが多いと感じたのは僕だけでしょうか?

ガソリン税の問題は、税収のこととか環境問題も絡んでくるので、なかなかやっかいな問題ですが、一般の生活者はどう感じているのか?

こういうことは、メディアが伝える情報よりも、実際の生活の場を見たほうが分かることが多いものです。

先週末、僕も、リアルな生活者の感覚を知りました。

自宅からクルマで5分ほどのところに、お気に入りのレストランがあって、値段もリーズナブルなのでよく食べに行ってます。

けっこう流行っていた店なんですが、クルマで行ったほうが便利な立地なので、皆さん、クルマで来ていたのですね。

ところが、ある時期から、まったく流行らない店になってしまいました。

味が落ちたわけでも、サービスが悪くなったわけでもない。

いままでとまったく変わらないのに、お客さんの数だけが極端に減ってしまったのです。

最初、理由が分かりませんでした。

客足が落ちたのは昨年の秋口頃からです。

ちょうど、サブプライム・ローン問題が起こった後で、株やFXで大損した投資家が多かった時期ですが、もともと富裕層ターゲットの店ではない。平均的な家族が気軽に楽しめるレストランでしたから、それが理由だとは考えにくかったわけです。

それで、いろいろ理由を考えている時に、とある人から、ガソリン代がどんどん高騰して、外食産業が大打撃を受けているという話を聞きました。

ガソリンが高くなったので、クルマ立地のレストランに客が来なくなったわけですね。

じゃあ、ガソリン代が安くなったら、客はもどってくる戻ってくるのだろうか?

そう思って、先週末、そのレストランに行ってみました。

案の定、いままでの閑古鳥がウソのように、満席状態でした。

そして、みんな、ものすごく幸せそうな表情で食事をしていました。

こういうことは、現場に行ってみないと分かりません。

客足が戻ったことはデータで分かりますが、実際に、お客さんがどんな気持ちでもどってきたのかは、データでは分かりませんし、アンケートを取ってもリアルに伝わりにくい。でも、現場を見れば、お客さんの高揚感はちゃんと伝わります。

それで考えてしまうのが環境問題です。

環境のためには、クルマは乗らないほうがいいに決まってます。

だから、ガソリンは高いほうがいい、という議論も出てくるわけで、それはもちろん正論なのですが、一方で、ガソリンがリッター20円ほど安くなっただけで、多くの家族が楽しい時間を取り戻している。

そのような光景を目の当たりにすると、何が正しいのか分からなくなります。

環境原理主義者は、環境のために世界を18世紀に戻せと主張しています。

個人的には、地球環境のためには、そうするほかはないと思ってます。

でも、環境問題に取組んでいる人たちと話をすると、
「われわれは、そこまで過激な主張をしているワケではない」
と言われます。

割りばしやレジ袋の使用削減もいいですが、それよりも、自家用車の所有を禁止したほうが効果的だし、話も早いはずなのに、環境論者ですら、そんな主張はしません。(少なくとも、目立ったアクションにはなってません)

環境問題も、結局は妥協の問題だとすれば、みんなの幸せのためには、何をどこまで妥協すべきなのか、もう一度、ハッキリと、地球に優しくてみんながハッピーな生活とはどいういうものか、そのモデル・プランを考えて、大きくアナウンスする必用があるように思えます。

環境問題対策は矛盾だらけとも言えますが、その原因は、そんなところにもあるように思える。

そんなことをあらためて考えさせられた週末でした。(竹井)

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