8月引退の南極観測船「しらせ」、東京・晴海ふ頭に到着し最後の航海終える
25年にわたり日本の南極観測を支え、8月に引退する南極観測船「しらせ」が12日午前、東京・晴海ふ頭に到着し、最後の航海を終えた。
4半世紀にわたり、極寒の地での過酷な任務に耐え、南極観測を支え続けてきた「しらせ」が12日、最後の任務を終えて帰ってきた。
「しらせ」は1982年に就役し、「宗谷(そうや)」、「ふじ」に続く3代目として、25回にわたり南極観測の支援を行ってきた。
南極海で厚さ1.5メートルもの氷を砕いて進み、過去2回、氷に閉じ込められたオーストラリアの観測船を救出したこともあった。
今回の任務では、観測隊員ら54人と物資を南極の昭和基地に運び、大型の廃棄物などを持ち帰った。
しかし、老朽化のため、引退が決まった。
総行程およそ84万km、25年にわたる長い旅路にピリオドが打たれた。
赤星慶治海上幕僚長は「諸先輩から引き継がれてきた『しらせ』のよき伝統を継承し、いかなる困難な状況についても、任務を完遂しうるように」と述べた。
乗組員は「さみしいですね。25年間、ありがとうございました」、「『しらせ』には、お疲れさまと」などと話した。
引退後の「しらせ」の引き受け先は、まだ決まっていない。
新しい観測船が2009年に就役するまでは、「しらせ」が救出したオーストラリアの船が観測の支援を行う予定。
(04/12 12:54)