日銀が10日発表した2007年度の通貨供給量(マネーサプライ)は、代表的な指標であるM2+CD(現金、要求払い預金、譲渡性預金など)が前年度に比べ1.9%増の727兆5000億円となった。預金金利の上昇により資金が定期預金などへ流入し、マネーサプライを押し上げた。
項目別にみると、現金や普通預金を示すM1は同0.2%減少し、1964年度の統計開始以来初めて前年度を下回った。定期預金などを示す準通貨は同4.5%増と、17年ぶりの高い伸びとなった。
M2+CDに郵便貯金や投資信託を加えた「広義流動性」は、同3.7%増。このうち投資信託は同28.3%増え、統計上比較可能な97年度以降で最も高い伸びとなった。投信は米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を機に昨夏以降伸び悩んでいるが、年度全体でみると大きく伸びた。(12:02)