室蘭市絵鞆町のエンルムマリーナ内の食事と工芸の店ブロートンで、「母恋めし」を製造、販売している関根久子さん(58)が、駅弁を取り扱う女性のインタビューを掲載した「駅弁スーパーレディ」(ぶんぶん書房)のトップで紹介されている。
本は駅弁の日である4月10日に発売された。著者はトラベルジャーナリストの小林しのぶ氏。「駅弁女将細腕奮闘記」のサブタイトルで、全国の9人をピックアップしている。
関根さんはトップバッターとして登場する。夫の勝治さんがホッキ貝で工芸品を製作する際に余った中身を、家庭料理に活用。炊き込みご飯を「母恋めし」と命名して、室蘭郷土料理コンクールで最優秀賞を受けた経過や、当初工房だったエンルムマリーナで「母恋めし」定食を出し、駅弁に進化した秘話が語られている。
関根さんは「昨年と今年の2度、先生が取材に訪れました。もとは子供が好きだと言った家庭の味です。先生がおいしいと気に入ってくれてとてもうれしい」と笑顔。
銀の装飾品を手掛ける工芸家が本職の関根さんは「最近は調味料や食材が値上がりし、たくさん売れてももうからないわ」と言いながらも、JRの母恋と東室蘭両駅で販売する毎日40食と予約分の製造に追われていた。メーンのホッキは今が旬。貝の出し汁が効き、肉厚の身で魅力アップしている。
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