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知りたい!:コーヒー競争、風雲急 改良マック、販売急増

競合する各社のコーヒー
競合する各社のコーヒー

 ハンバーガーチェーン最大手「日本マクドナルド」(東京都新宿区)のリニューアルしたコーヒーが人気を呼んでいる。コーヒー専門の各社は静観の構えだが、さて、あなたはどこを選ぶ?【田中義宏】

 オリコンの子会社「オリコンDD」が昨年11月、20~39歳の男女1280人を対象にした「買いたいコーヒーランキング」で、マクドナルドが1位に選ばれた。2位ドトール、3位モスバーガー、4位スターバックス、5位ミスタードーナツと、専門店は2位と4位だった。

 調査は人気上位5社のコーヒー2種を銘柄を明かさずに味見してもらい、「香り」「苦み」「酸味」など6項目を10段階で審査。4項目でスターバックスがトップに立ったが、販売価格を教えて改めて聞いたところ、マクドナルドの100円のコーヒーが他を圧倒した。

 かつてマクドナルドのコーヒーの評判は芳しくなかった。そこで06年、味の素ゼネラルフーヅで業務用コーヒー豆開発を手がけた瓦林哲児さんを採用して改革に取り組み、「プレミアムローストコーヒー」を開発した。エチオピアなど4カ国の高級豆をブレンドし、特注のコーヒーマシンを導入、品質の均一化を図った。

 07年春から今年2月にかけて全国で順次更新した結果、06年で約9500万杯だった販売数は07年は約1億2000万杯と飛躍的に伸びた。瓦林さんは「ファストフードのコーヒーに対する消費者の期待は薄く、店側もどこかに『コーヒー屋さんではない』という認識があった」と話す。

 米国では、マクドナルドがスターバックスと同様の機械を導入し、エスプレッソ、カプチーノを販売すると報じられた。日本マクドナルドではエスプレッソ導入を検討していないが、夏前に改革第2弾としてアイスコーヒーをリニューアルする方針で、攻勢をかける。

 専門チェーン各社は、どう受け止めているのか。

 96年に国内1号店を開業させ、コーヒーブームの火付け役となった「スターバックスコーヒー ジャパン」(東京都渋谷区)のマーケティング本部は「価格競争に乗るつもりはなく、あくまでもバリスタ(エスプレッソを入れるスタッフ)とお客様との会話を通じてお好みの味にするカスタマイズを中心にサービスをしたい」とする。

 ドトールコーヒーショップ、エクセルシオール・カフェなど国内トップの1479店舗を展開する「ドトールコーヒー」(同区)広報は「当社はブレンドに力を入れている。ハンバーガーのマクドナルド、バリエーションが主体のスターバックスともコンセプトやお客様の層が異なる」と話す。

 日本コーヒー文化学会会長で上智大教授(英文学)の小林章夫さんは「マクドナルドは幅広い層が喜べるような一応の水準に達して高い評価を得た。しかし、癖のあるコーヒーが好きな人には必ずしも好まれない。各社の競争は手軽に高い基準のコーヒーが飲めるようになり、好ましいのではないか」と話す。

毎日新聞 2008年4月7日 東京夕刊

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