港区は、JR田町駅東口北地区(港区芝浦)に、高度な新生児医療設備を備える総合病院「愛育病院」(同区南麻布5、病床数118床)を移転させることを決めた。同地区は芝浦の新たな拠点として区が開発計画を進めており、目玉として病院の移転を目指し、このほど病院側と合意に達した。移転は12年度を予定。病床数を3~5割増やし、地域の分娩(ぶんべん)取り扱い病院の拠点として、「出産する病院が見つからない」と嘆く妊婦の力になりそうだ。
愛育病院は、産婦人科、小児科、母子保健科、新生児科を備える妊娠から出産直後までの周産期専門病院。新生児集中治療管理室や産科医、新生児科医が24時間体制で診療に当たり、都から「総合周産期医療センター」の指定を受けている。
全国的に少子化が進むなか、港区では大型マンションの建設などで、近年、出生数が年々増加。昨年は5年前と比べ約3割増となり、緊急の対策が求められていた。
一方、慢性的な病床不足の同病院にとって拡張は悲願だが、一時的な閉院を伴う大規模改修は困難だった。昨年に区から移転計画を提案され、両者の間で合意に至った。
区はJR田町駅東口北地区の区画を、病院側に提供することで移転を支援。同地区の開発事業の完了に併せ、12年度中のオープンを目指す。病床数増や最新設備を取り入れ、国内最先端の技術を備えた医療センターになる予定だ。【杉本修作】
〔都内版〕
毎日新聞 2008年4月12日 地方版