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聖火リレー「抗議の場」つくり混乱回避 アルゼンチン

2008年04月12日10時37分

 【ブエノスアイレス=石田博士】北京五輪の聖火リレーが11日午後(日本時間12日早朝)、ブエノスアイレスであった。計5700人が警備する中、大きな混乱はなく、ほぼ予定通りに終了した。

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中国の人権弾圧に抗議する人々は聖火リレーの直前、「人権の火」を掲げてブエノスアイレス中心部を行進した=11日午後、石田写す

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聖火リレーの沿道ではチベット支援と中国系の若者の示威活動が入り交じった=11日午後3時、ブエノスアイレス中心部、石田写す

 各地で混乱が続く中、中南米で唯一の会場であるブエノスアイレスが採った対策は「抗議の場を与える」だった。リレー開始前、約200人が北京五輪に抗議する「人権聖火」を掲げ、コースのうち約1キロを大統領府前まで行進。参加者は「かつて軍政の弾圧で多数の犠牲を出したアルゼンチンこそ、人権を重視すべきだ」などと訴えた。

 これに対し、「愛国心」を燃やしたのが中国からの移住者たち。「中国は一つ」と連呼し、国旗を振ったり国歌を合唱したりして人権団体に詰め寄った。13年前に移住したという男性(32)は「世界は欧米メディアの言い分ばかり聞き、中国の説明に耳を傾けない」と不満をぶちまけた。

 リレーが始まると、走者を青色ジャージー姿の中国の警備員らが囲み、重装備の警官が乗った小型車両も伴走。そのわきを警察学校の学生が手をつないで走り、押しくらまんじゅうのように沿道の市民を制止した。

 第1走者に予定されていた元サッカー同国代表のマラドーナ氏は姿を現さなかった。滞在先のメキシコにとどまったとみられる。

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