夢で繰り返す
あまりセンチメンタルな記事を書きたくないのですが、ちょっとだけ吐露させてください。

一年前の今日、いつも通り朝、犬たちを散歩させてから、急いでいった仕事中に、
私の携帯電話に連絡が入りました。
「犬たちが差し押さえられる!」と…。

居ても立っても堪らず、手元の仕事を切り上げ、今日の予定を後日に変更して
慌ててスタンバイに向かいました。

スタンバイの戸口に、数人の男女…。
揃いのつなぎを着ていました。代表のH氏も居ました。
若い1人の女性は、ガラス越しに店内を覗き、不安げにしていましたが、
その他の方たちは…

ニヤニヤ笑っていました。

『NO-AAs!!! 反対する住民ろぐ』さま
http://noaas.blog99.fc2.com/blog-entry-46.html

ここで公開されている写真と同じように。


結果的にアルフ、ばっちゃん、つばさ、タッキーが外に連れ出され、
白っぽいワゴン車に乗せられ、私達の手の届かないところに連れて行かれました。
とても辛かったです。



↑再生すると音声が出ますのでご注意ください。


一年の間、その日のことは繰り返し夢に見ました。
夢の中で私は、話し込むオーナーと執行官を横目で見ながら
「どうにかして、この店からあの子とこの子を連れ出さないと…
あ、あの子も連れ出せるかもしれない…」と考えに考えて
犬を抱いて執行官の横をすり抜けようとするのです。


その夢の内容が、2007年10月以降、変わりました。


私は夢の中で執行官と取引しようと、必死で交渉するのです。
でも最後まで執行官は私の取引に応じることはありません。
最後には私は「お願いします。つばさだけは連れて行かないでーー!」と
泣いて叫んでしまいます。
たいていはそこで泣きながら目覚めます。

「つばさだけは、つばさだけは!」と泣いて頼む、夢の中の私…。





つばさの情報は相変わらずありません。
彼の団体内部でも本当のところ、わかってないのかもしれません。

私や友人が盗んだという噂もありますが、誓ってそれはありません。
それにもし私がつばさを盗みに入ったとしたら、
隣にいたタッキーも一緒に盗みます。

それに、この国の明確な法律で保全されている犬を
その法に逆らって奪うことは、正しいこととは思えません。
裁判の進捗状況も把握していますので、負けるとは思えませんでしたし、
それに
そんな裁判の結果云々はとりあえず、犬たちには関係ないと思います。

たとえこの裁判で、犬たちが彼の団体の『所有物』という判決が
出たとしても、結果として暖かい里親さんに迎えてもらうなら、
それでも良いのです。

アルフ…
今頃どうしてるのでしょうか。

都島の事務所に保全されているはずですから、都島の事務所からは
「基本的に」移せません。
しかし、彼の団体の元のスタッフさんが大切に可愛がっていらっしゃるなら
とても嬉しいです。
どうか一生可愛がってあげてください。

ばっちゃん…
まだあの病院の冷たい犬舎の中です。
今頃は小さく丸まって寝ているのでしょうか…

ばっちゃんはもう年です。
病院なので、きちんとした栄養管理はできているかもしれませんが
運動などは、一般家庭並みにできるはずも無いでしょう…
保全が解かれたとき、果たして彼女は、
身体的に健やかで居られるのでしょうか?

少なくとも、DPでボランティアさんたちがしてくださったような
豊中でしようとしたような、心のケアが無ければ
ばっちゃんはもう人を信じないでしょう…
残酷です。


タッキー…
皮膚の状態は最悪だと聞きました。
彼はまだ、いつもと同じように辛抱強く、人のことを信じて
お散歩に連れ出してくれる手を待っているんでしょうか…?
その思いは報われるのでしょうか。
早く、皮膚のケア、心のケアをしてもらえる環境を
与えてやりたいです。


つばさ。
豊中に来たときは皮膚の状態が悪かったです。
でも日に日に良くなり、たった一ヶ月あまりでほとんど問題ない
状態まで回復しました。
目も悪くありませんでした。
それなのに、保全されている間に、またも病気に…

今はどこに居るんでしょう。
優しい人が拾ってくださって、「このままひっそりうちに…」と
飼って下さってると思いたい。

居なくなってもう5ヶ月近く経ちます。
いろんな方から、「似た犬が居る」という連絡を貰うたび、
スタンバイオーナーや元のボランティアさんたちが駆けつけ、
確認してきました。警察にも何度も足を運んでらっしゃいます。
「違う」とわかった瞬間、落胆。
同時に「この子はこのあとどういう目にあうんだろう…」と
考えると、ボランティアさんはみんな「もうこのまま引き取る!」と
言いそうになるのです。





べべ、ポッキー、ココア、コン、ペティ、チャーリー、ナッツ、クロ
ソラ、エル、セン、ブラン、リーナ、レモンはそれぞれ
一般家庭に引き取られました。

それぞれの家庭で、めちゃくちゃに可愛がられて、
溌剌とやんちゃな子になって暮らしています。
どの子もみんな外見が変わりました。
元ボランティアさんが出会っても気が付けるかな?ってくらい。

そしてそれ以上に心が変わりました。
みんな明るく、人懐こく、溌剌で、
時に叱られるのもわかっていても、思い切った
大胆なイタズラもできるようになりました。



もう里親さんの下に行ってから一年以上。

彼の団体よりも、豊中よりも長く長く、里親さんの下にいます。
もう完全な家族です。



【2008/01/26】 つばさ | トラックバック(1) | コメント(8) | page top↑
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コメント
私は仕事中の第一報でしたね・・・
慌てて駆けつけたけどもう居なくなった後。
居た全員の目が泣き崩れて真っ赤で、着いた私に「守れなかった。ごめん。」って。ダレも悪くないのに。
皆が「ごめん」「ごめん」を繰り返してた。
ダレに対してとかじゃなくただただ繰り返してた。
キレえてる私をなだめるために平静を装おうと必死になってたsasaさんも目が真っ赤だったね。
そういえば苛立ちを壁にぶつけて骨折しかけた人も居たっけ。
取り返しに行く気で全員車出して、新御堂走ってる間に頭を冷やして・・・戻ってきたら無力感。
大変な日だったよね・・・
本当に大変な日だった。

思い出しちゃったじゃないか〜!
ウワァァァンヽ(`Д´)ノ
【2008/01/26 17:38】 URL | ごじ[ 編集] | page top↑
ごじさん。
先日はありがとうです。

そうでしたね…。
誰にもどうにもならなかった…。

骨折して4頭が戻るなら、体の骨全部折っても良いと
あの人は言ってた。

Yちゃんが言ってたよ。デールの訃報の時も…
「責任が無い人ばっかりが、自分を責めて苦しんでる」って。

DPのボランティアさんたちの苦しみももっともっと
大きかっただろうなぁ…
今日改めてそう思いました。

あの日から新しい暮らしが始まった犬たちの幸せは
無茶苦茶大きいですよね!
それだけが救い。
早く18頭全部、幸せになって欲しいですね。
【2008/01/26 18:01】 URL | sasa[ 編集] | page top↑
sasaさぁん、どうしよう目から汗が…止まらないですよ?

そうね、私がねずみ小僧だとしてもタキツバは必ずペアで連れて帰るわよ。
彼らに関わった人はみんなそう思うよね。(本当はそうしたかったんだから。)
そんな基本的な事すら分からないなんてね、ふん、笑っちゃうわ(怒

今年はあの多頭害団体風味からのレスキューが始まりそうだな…
【2008/01/26 23:46】 URL | らんりさ[ 編集] | page top↑
「全て、私の責任です。ごめんなさい。」
【2008/01/27 01:56】 URL | 代理投稿[ 編集] | page top↑
sasaさん
私も泣けてきちゃいました。
あの仔達を何時になったら自由の身にしてくれるのでしょうかね〜あの方々は…
それに酷いですね〜(醜い!)
倒れている人間を目の前にしてあの笑い…
あれがあの方々の真の姿なんでしょうね。
食糞ごときで足蹴りしたと言うのも
うなずける気がします。
あの方々が人にも動物にも優しくなれない人間の集まりだと言う事を
再確認出来ました。

sasaさん
見守る事しか出来なくてごめんなさい。
何にも力になれないので
せめて今夜はあの仔達の事を思って
泣かせてもらいます。
【2008/01/27 02:17】 URL | BAKU[ 編集] | page top↑
らんりささま

いつもコメントありがとうございます。
いつも一緒に泣いてくださってありがとうございます。

そうですね、私が鼠小僧だったとしたら…
都島にいた犬全部かさらっちゃう!
…なんて…身の程知らずは結果的に犬を不幸にしますから
とてもできませんが…
でも気持ちはそういう風です。
高島ではまた極寒の夜に一匹の老犬が
神様に救われてしまったみたいですし…

いつか神様が、高島施設の犬たちを、全頭まとめて
レスキューする前に、
人間の尻拭いは人間ができるように見せないと
神様は本当に、犬に人間より優れた知能と有利な身体を
与えるかも。

彼らのやっていることは、神様へ喧嘩を売ってるのと同じことだと
最近は思います。

おうちの方はにぎやかですね!とっても羨ましいです。
子育てが楽しすぎて、繁殖マニアになってしまわないでくださいね!
らんりささんに限ってありえないけど(^^
【2008/01/28 11:41】 URL | sasa[ 編集] | page top↑
代理投稿さま、コメントありがとうございます。

どなたの代理か考えてみました…。

私は以前から声高に一人の女性に「目を覚ませよ!」と
批難してきました。だから彼女かな…

ボラ友さんたちからは「彼女は、優しい心を持っているから
責めてあげないで」と言われる度、「優しい心、持ってても
本当の正義に使わないなら意味無い!!」と言ってきました。

同じ女性として、彼女がこの先の人生、
真に誰からも肯定される人になるべく、
いっそう努力するべきだと思っています。

それが本当に彼女の「優しさ」を活かせる道だと思います。

私はどんなに謝られても彼女を許せるかどうかわかりません。
ですが、犬たちのお世話をしてくださり、記録を取り、
最後の申し送りまできちんとして下さったことに関しては
本当に感謝しています。ありがとう。
そのことをお伝え願えますか?

彼女のこれからの人生に、動物愛護があろうと無かろうと、
輝いた人生を歩めることをお祈りしております。
【2008/01/28 11:51】 URL | sasa[ 編集] | page top↑
BAKUさま、コメントありがとうございます。

彼らのために涙を流してくださったことも、
優しいお気持ちを寄せてくださって、ありがとうございます。

彼の団体様が、ご自身の日誌にそれぞれ書き連ねて
らっしゃるようなことを、「毎日毎日365日、
すべての犬に満遍なく」してくださってるなら、
私ごとき小者がしゃしゃり出なくても十分なのだと思います。
お金も、マンパワーも。
(それもあって、広島DPにははせ参じませんでしたので)
しかし実態は全く違います…。犬たちは十分な世話も愛情も受けられないまま
犬舎に閉じ込められっぱなし…
彼らの行動にはなぜか、動物愛護のかけらもありません…。

その人間によって、自由を奪われ、拘束される犬たち…
彼らに取っては、犬たちを拘束することの意味は何なんでしょうか…
一人の人に対する嫌がらせで…下らない!

私も、彼らが人にも動物にもちっとも優しくないし、
苦しみも理解できないし、共感することも、
痛みを思いやってあげることもできないんだってことを
改めて実感…。

調べてみると、そういう人が世界では年々増えているそうです。
アメリカで、アジアで…。
その波が日本にも?と思うと恐ろしいです。

BAKUさまがひっそりと泣いてくださったこと。
それが、同じように、
世界中の人たちみんなにできれば良いのに…。
そう思えてなりません。
【2008/01/28 12:05】 URL | sasa[ 編集] | page top↑
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