2008-04-11
■[diary][picture]植民地のような桜の影で
前の職場の周りには桜が咲き乱れた。ぼくはその風景を見て植民地のようだと思った。まるで母国の桜を懐かしむ移民者たちが過剰に植えそろえてしまったかのようだった。実際そんなに桜の花なんてなかった。ある家の広い庭に大きな桜の樹が一本あるきりだった。それを遠くから眺めて春が来たことに気づいた。まるで仕組まれた演出としての満開の桜を見て想起したのは西新宿の新都心だった。わざとらしさを感じながらもこれがぼくたち日本人が追い求めていた風景なのかと、それについて別段咎めようという気分にもならなかった。
前夜、朝日が昇るまで酒を呑んでいた。いや実際にはそれほど呑めないから酒の出る席で座っていたと言う方が正しかった。職場近くの漫画喫茶に泊まり、重い体を引きずって職場へ向かった。通り道に小さな公園があってそこで桜を撮った。朝の強い光で桜の白がまぶしかった。こんな桜をまた眺める機会がくるのだろうか。写真を撮るためだけに桜を見ているのに突然その風景が特別なもののように思えてきたのだ。
もう葉桜になってしまった。時間の流れの速さに気が遠くなる、
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