一般財源化 大改革か骨抜きか、ルビコン渡った首相2008年04月11日23時05分 福田首相が政権の命運をかけて掲げた09年度からの道路特定財源の一般財源化が11日、政府・与党によって正式に確認された。合意文書には「必要な道路は着実に整備する」とも盛られ、将来骨抜きにされる可能性もはらむものの、首相が「ルビコン川」を渡ったのは間違いない。
一般財源化は小泉、安倍両政権も取り組んだが、道路族などの抵抗でいずれも中途半端に終わった。今回実現できれば、自民党政治を転換する大改革になるが、道路族や国土交通省の抵抗は強い。 「今日の会議は、最高の意思決定だ。簡単に撤回することがあれば、それこそ信用を失う」。首相は11日、記者団に語った。周辺も息巻く。「これは小泉、安倍両政権もできなかった大改革だ」 道路特定財源は1954年、財源を優先的に道路整備に充てる制度として始まった。公共事業を分配する見返りに選挙で支援を得る「集票マシン」の側面もあった。いわば戦後の自民党政治の根幹にかかわる制度だ。 首相が09年度からの一般財源化を打ち出したのは、大改革の目標を先に掲げることで、支持率低迷が続く政権の維持につなげる狙いがある。 首相は期限切れとなったガソリン税などの暫定税率を、4月末に衆院で再議決して復活させる方針。11日の決定にも関連法案を早期に成立させる方針を明記した。世論に不評のガソリン再値上げに踏み切る環境整備としても、改革の旗を掲げる必要があった。 ただ、この決定には「骨抜き」の芽もある。「必要な道路の着実な整備」は、首相が会見の際に配った文書にはなかった。「地方財政に影響を及ぼさない」との文言も加わった。08年度歳入法案についても、「一日も早く成立させるのが前提」とした。 首相にとって第一関門は6月の「骨太の方針」の閣議決定。ここに一般財源化を盛り込めても、夏の09年度予算案の概算要求、秋の本格的な税制抜本改革論議と高いハードルが続く。「公約」を果たせなければ、福田政権の致命傷になりかねない。
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