東京電力柏崎刈羽原発の安全性について県に助言する県技術委員会「地震、地質・地盤に関する小委員会」の第2回会合が7日、新潟市内で開かれた。東電が先月末に発表した地質調査結果に対し、石橋克彦・神戸大名誉教授が「基準地震動のみに着目した調査で、非常に不十分」と批判。衣笠善博・東京工業大教授が「地域を不安に陥れるだけの意見には、東京電力は反論すべきだ」と述べるなど、それぞれの立場から激しい議論が繰り広げられた。
東電は中越沖地震を受けて実施した地質調査で、震源断層と見られるF-B断層を従来より約10キロ長い最大30キロと結論付けたが、「原発の安全性に影響はない」とまとめた。
これに対し、石橋教授は「変動地形など、地震発生に関係するところを見ていない調査だ」と批判した。
また、東電は、東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)らが新たな活断層の存在を指摘していることについて「当社の見解では(活断層は)ない」と反論。衣笠教授も「(東電の提供したデータから)このような断層を見いだすとは考えられない」と指摘した。
県原子力安全対策課の松岡輝彦課長は「原発への賛否があって、いろいろ議論していただくのはいいこと。そのための小委員会だ」と話した。【渡辺暢】
毎日新聞 2008年4月8日 地方版