大竹市の阿多田島に7月、常駐の医師が25年ぶりに復活する件で10日、調印式が県庁であった。県が昨年12月、医師不足解消を目的に開設した「ふるさとドクターネット広島」の初の就業例になる。
7月から同島で診療所を開設するのは、大阪市出身で京都市伏見区在住の医師、林重三さん(64)。大阪大医学部卒業後、阪大医学部第2外科、個人病院開業などを経て、現在は京都市の松ケ崎記念病院の病院長として勤務。同病院を6月に退職する。
この日は、迫井正深・県健康福祉局長の立ち会いの下、大竹市と林さん、阿多田診療所運営委員会の3者で契約書に調印した。林さんは「地域医療に携わることが長年の夢だった。地元のみなさんの熱意を受け止め、阿多田島に骨を埋めるつもりでやっていきたい」と決意を語った。
同島は83年に常駐の医師が不在になった。現在は週1回、広島西医療センターの巡回診療があるのみだった。7月からは林さんと看護師1人の体制で運営していく。【上村里花】
毎日新聞 2008年4月11日 地方版