ブエノスアイレス(AP) 北京五輪の聖火は10日午後(日本時間11日午前)、米サンフランシスコから次のリレー開催地、ブエノスアイレスに到着した。11日(同12日未明)のリレーに向けて地元活動家らが抗議行動を予告するなか、当局は連邦警察などから約5800人を動員し、警備態勢を整えている。
聖火は空路、ブエノスアイレスのエセイサ国際空港に運ばれ、警官らがこれを迎えた。
マクリ市長によると、リレーは市中心部を流れる運河のほとりから、タンゴの演奏とともにスタート。3時間近くかけて、80人の走者が約13・7キロの道のりを走る。第一走者はサッカーの元アルゼンチン代表、ディエゴ・マラドーナ氏が務める見通しだ。
沿道にはすでに、「チベットに自由を」などと書いた横断幕が掲げられている。サンフランシスコのデモ主催者らと打ち合わせして抗議行動を計画しているという地元活動家は、「沿道の人々をあっと言わせ、楽しんでもらえるような行動を目指す」と話す。また、中国の非合法気功集団「法輪功」もデモを計画しているとみられる。一方、市当局者らは「ほかの都市のような混乱は起きないだろう」と、強気の姿勢を示している。
アルゼンチンでは、ロンドン、パリ、サンフランシスコの聖火リレーでのトラブルはあまり大きく報道されず、市民からは「聖火のためだけに数千人の警官が動員されるなんて、理解できない」との声も上がっている。