ニュースオーディオ専門店が「魔法使いカフェ」に 西の電気街・日本橋は「実験場のよう」マニア向けのホビー店などが集まるようになった大阪・日本橋周辺で、店舗が激しく入れ替わっている。かつての電気店街は「新しい商売の実験場のようになっている」という。2008年04月11日 09時35分 更新
マニア向けのホビー店などが集まるようになった大阪・日本橋周辺で、平成17〜19年の3年間に185店がオープンする一方で155店が閉店するなど店舗が激しく入れ替わっている実態が商業コンサルタント会社の調べで明らかになった。中には開店からわずか2、3カ月で撤退する店があるが、首都圏のチェーン店が関西進出の手始めに日本橋を選ぶケースも目立つ。かつての電気店街は「新しい商売の実験場のようになっている」という。(竹田徹) 「オーディオ専門店だったこの物件には全国チェーンのカフェが入りましたが、1年半で閉店。その後には魔法使いをテーマにしたカフェがオープンしました」。日本橋のメーンストリートである堺筋。今回の調査を行ったデシリットル・ファクトリー(大阪市中央区)の代表取締役、楠瀬航(わたる)さん(36)が説明する。 日本橋の地域ガイドマップを編集している同社は17年から店舗の出・退店情報を定点観測するニュースサイトをインターネット上で運営しており、そのデータをもとに集計した。 それによると、調査地域(大阪市浪速区難波中2丁目と日本橋3−5丁目)では17〜19年に毎年60店ほどが新規出店。退店も50店前後あるが、純増傾向が続いているという。ただ短期間で撤退する店舗も多く、17年にオープンした64店を追跡調査した結果、3分の1の22店がこれまでに退店していたことが判明。18年に出店した60店でみても16店が店を閉じていた。 業種別でみると、日本橋の代名詞存在だった家電量販店は減少傾向をたどっており、平成13年11月時点の12店から17年1月に8店、19年末には4店に。堺筋から大型量販店は姿を消したという。これに対して台頭しているのがマニア向け店舗で、とくに若い女性がメイド風の衣装で接客する喫茶店「メイドカフェ」などは3年間に44店がオープン。ホビー用ロボット専門店や海外からの観光客向け免税店も増えている。 飲食などのチェーン店が増えているのも特徴で、3年間で67店がオープン。とくに23店は府外から初進出したケースだった。 楠瀬さんは「日本橋の集客力は高く、空き店舗ができてもすぐに埋まる。こうした新規出店者をどのように生かし、育てるかが町作りのポイントになるのでは」と指摘している。 関連記事
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