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Apr 11, 2008
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三星
2007-12-07
 
三星はまさに韓国を代表する財閥であり、2位以下を大きく引き離すダントツの存在だ。経理内容のいい優良企業がそろっている。

三星は慶尚南道の大地主の次男、李秉喆(イㆍビョンチョル)が日本の早稲田大学を中退したあと、1938年に大邱で設立した三星商事がその始まりとされる。韓国戦争にともなって資本を蓄積した三星物産は、1953年に第一製糖を、翌54年に第一毛織を設立し、砂糖や衣類といった、当時、もっとも国民が必要としていた消費財の生産で財閥としての基盤を固めた。軍事政権と同じ嶺南人脈であることも幸いした。高度成長の前の60年代にすでに韓国第1位の財閥になっていたが、李秉喆会長の「時代の先を行かない」という慎重経営によって、順位が次第に下がってくる。どの財閥も始めた建設会社や大財閥が進出した自動車への参入も遅れた。

しかしアメリカの大学でMBAを取得した三男の李健熙(イㆍゴンヒ)が財閥を継承すると、積極経営に転じた。しかも世界の超一流を目指す経営だ。95年には三星自動車を設立し、日産自動車と提携して悲願の自動車製造に進出した。98年3月から乗用車の生産を始めたが、その年の暮れには経営が行き詰まってしまう。結局、フランスのルノーに売却し、「三星不敗神話」に傷をつけた。しかし97年暮れの経済危機で大宇が空中分解し、現代が分割される中で、三星はそのままの形で残り、2000年からは圧倒的な強さで1位を走っている。

三星財閥の系列会社は現在59社、うち上場会社は14社。韓国の輸出と時価総額で、それぞれ20%を占める。毎年春、いっせいに昇格人事が発表されるが、平均して社長10人程度、副社長20人程度、専務7,80人、常務にいたっては120人から150人が任命される。技術畑が重用される。

中核になる会社はもちろん半導体世界1位、1兆円前後の年間利益がある三星電子、続いてプラズマパネル世界1位の三星SDI、造船の三星重工業、金融面には証券1位の三星証券、三星生命、三星火災海上保険、三星カードがある。このほか第一毛織、広告1位の第一企画、ホテル新羅、エバーランド、野球の大邱三星ライオンズ、サッカーの水原三星などがある。

さらに三星物産の建設部門は、ソウル江南のタワーパレス、マレーシアㆍクアラルンプールのペトロナスタワーを建設するなど高層ビル建設が得意で、現在、中東ドバイで世界で一番高い160階以上となるビルを建設中、盧武鉉大統領も中東訪問の途中現場を視察した。

また関連会社としてソニーとの合弁のS-LCDやルノー三星、そして三星から切り離したが今も縁がある、デパートの新世界、CJ(旧第一製糖)、中央日報などがある。このうち新世界とCJは、それぞれ10位台をいく独自の財閥に成長している。

三星各社は朝が早い。朝7時出勤である。これだと道路が混まない。夕方が有効に使える。夜更かしをしないという効果もある。よく三星の社員はリベートを要求しない、その代わりに値引きを迫るといわれる。熱心な企業風土が優れた財務内容を生み出す。三星はまた立派な美術館を運営するなど文化事業も多い。今回、巨額の裏金づくりが暴露されて特別検事法まで作られたが、経済界のリーダーだけに、あらゆる面で模範になってもらいたいものだ。
 
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