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2008年4月11日

 ガソリン代値下げに続いて、今度は車検が安くなるかもしれぬ。課税される自動車重量税の暫定税率が今月末で期限切れとなり、税額が約6割も下がるという

政治不全といわれる国会の混乱劇の結果、おいしいニンジンがまた一つ、車社会の鼻先にぶら下がろうとしている。安いガソリンや車検は誰もが歓迎する。分かりやすい話である。が、これが政治家が常々口にする「分かりやすい政治」なのか

分かりやすい政治と大衆に迎合するそれとはまったく違う。ニンジンは、法案が再議決されればあっけなく消える「暫定」のごちそうであり、その後には税収不足というありがたくないツケが回ってくる。それをどうするか、今国会初の党首討論でも、双方の主張は平行線をたどった

ニンジンはありがたいが、喜んで食っていると、後でひどい目に遭う。それくらいのことは私たちは少しは学習している

ままならぬ政局運営に、首相は「かわいそうなくらい苦労しているんですよ」と、愚痴った。同情したいが、鼻の先のニンジンに振り回される私たちのせりふである。勝手に使ってもらっては困る。


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