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【歌織被告】検察の論告(1)「歌織被告には完全責任能力があった」 (1/4ページ)
【はじめに】
この裁判では、本件の各公訴事実、つまり三橋歌織被告が犯した(1)殺人(2)死体損壊(3)死体遺棄−の各事実を証明するため、これまで数々の証拠を取り調べてきました。
検察官は、これまでの証拠調べの結果、本件の公訴事実が十分に証明されたものと確信しています。
【この事件の概要と争点】
●1 概要
本件は、歌織被告が平成18年12月12日未明、夫である祐輔さんの頭を、容量約750ミリリットル(重さ約1キログラム)のワインボトルで複数回殴って殺害。同14日に祐輔さんの遺体をのこぎりで切断して5つに分け、16日ごろにかけて、それぞれ別の場所に捨てたり、埋めたりしたという殺人、死体損壊および死体遺棄の事件です。
●2 争点と検察官主張の概要
本件では、事実関係について歌織被告も各犯行を認めており、他の証拠からも歌織被告がそれらを犯したことは明らかです。
これに対し歌織被告は、鑑定人の問診において本件犯行当時、「異常な精神状態だった」と供述。これを受けて弁護人は、「歌織被告は本件犯行当時、短期精神病性障害あるいは脳の器質的障害に基づいて、意識障害および幻覚などが発症しており、責任能力を欠いていた」と主張し、責任能力を争っています。
そして、本件裁判で実施された精神鑑定では、「歌織被告は本件犯行当時、短期精神病性障害によるもうろう状態などにあり、責任能力が欠けていた、あるいはその疑いがある」とされました。
しかし、この鑑定結果は、全く信用できません。
後に詳しく述べるように、本件犯行の動機は普通の人において十分「了解可能」(=誰にでも理解が可能という意味)である上、本件犯行および犯行前後の行動は、いずれも極めて合理的かつ目的に沿ったものです。
責任能力に影響をおよぼすような異常は一切みられず、歌織被告は本件犯行当時、完全な責任能力を有していたことが明らかです。
そして、本件精神鑑定の結果は、本件犯行の動機や犯行の手段・態様などから認められる歌織被告の精神状態と明らかに矛盾している上、当初の被告人質問にも出てきていません。
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