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中朝国境で流行する「人間サファリ」(上)

【特集】天国の国境を越える

中朝国境付近で「人間サファリ」に参加した中国人観光客が、北朝鮮の住民に向かってソーセージを投げている。北朝鮮の住民が拾って食べると、中国人の案内人は指でVサインをつくってみせた。/写真=イ・ハクチュン記者
 中朝国境・鴨緑江の河口近くにある中国側の都市・丹東。夜になると川向こうの新義州は暗闇に包まれ、一方の丹東は派手なネオンがきらめいている。北朝鮮政府が経営するレストラン、脱北者たちの隠れ家、韓国のビジネスマンたち、そして出張に来た朝鮮労働党の幹部たち…ここは南北の人やモノが入り乱れた場所だ。1週間にわたって激しい雨が降り続いていた2007年8月9日、取材班はここで奇妙な観光ツアーを体験した。中国人の案内人が「人間動物園」「人間サファリ」などと呼ぶそのツアーは、鴨緑江の北朝鮮側の島・于赤島の住民たちを見物するというものだ。

 ツアーは「虎山長城」から始まった。高句麗が築いた「泊灼城」を、中国側が万里の長城の終点であるかのように宣伝している、東北工程(高句麗・渤海の歴史を中国の歴史に編入しようとする計画)の象徴ともいえるものだ。「お金をケチらないでくださいね」。案内人が指を折って数えた。取材班4人全員の観光料金は800元(約1万1250円)。それに加え、800元分の食べ物などを義務的に買わなければならない。「たばこ、ソーセージ、ジュースなどをたくさん買えば、十分楽しめますよ。中国人の間では今一番人気です」

 虎山長城を100メートルほど歩くと、小さな船が見えてきた。そこで船に乗り、鴨緑江の真ん中まで進んだ。于赤島と薪島郡を行き来する船も見えた。「驚くなかれ。軍人は皆おれの友達だ」。漢民族の案内人が、たどたどしい韓国語で話した。「幹部は友達、農民たちはバカだよ」と。

特別取材班

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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