ブリュッセル――欧州連合(EU)の欧州議会は10日、加盟27カ国に対し今夏の北京五輪の開会式に出席しないことを求める決議を採択した。チベット自治区での暴動、武力弾圧や人権侵害に絡み、事態打開に向けて中国政府がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との対話に踏み切らない場合との条件を付けている。
欧州主要国では、ドイツのメルケル首相が欠席を既に表明。ブラウン英首相も9日、欠席を表明した。フランスのサルコジ大統領は欠席を検討すると述べている。各首脳ともチベット情勢との関連付けは避けているが、国内で中国のチベット政策への批判が高まっているのを意識した選択となっている。
また、チェコのクラウス大統領が開会式欠席を表明。ポーランドのトゥスク首相も出席しないと言明している。