サンフランシスコ──北京五輪の聖火は8日午前、9日に聖火リレーが行われる米カリフォルニア州サンフランシスコに到着した。ロンドンとパリの聖火リレーは中国の人権問題やチベット騒乱を受けた激しい抗議活動に見舞われたが、サンフランシスコではリレー開始前から中国領事館を目指すデモ行進が行われた。
デモ参加者らは警察が警備するなか、シュプレヒコールを叫び、チベットの旗を掲げた。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の写真や、「殺人をやめろ」「人権なくして五輪なし」などのプラカードも見られた。
サンフランシスコは米国で唯一の聖火リレー開催地。ロシアンヒルパークからジャスティンハーマン・プラザまでの区間で、約10キロのルートが設定されている。関係者によると、抗議活動への懸念から、リレー走者1人が辞退を表明した。安全確保の理由から、辞退者の氏名は公表されていない。
ニューソム・サンフランシスコ市長は、リレー途中で混乱が起きた場合、コースを変更する可能性を示唆。また、国際オリンピック委員会(IOC)は「国際ルート」中止検討の意向も示している。