事件・事故
防犯カメラの映像分析 ペットボトルに除草剤
スーパーの入り口に、張り紙を掲示するイオン社員。ペットボトルへの異物混入を伝えた=ジャスコ社店 |
加東市内の女性(54)が飲んだペットボトル飲料から除草剤に含まれる「グリホサート」が検出された事件で、兵庫県警捜査一課と社署は、販売した同市社の大手スーパー「やしろショッピングパーク Bioジャスコ社店」に防犯カメラの提出を要請した。除草剤が故意に混入された可能性もあり、不審者を洗い出すとともに、ペットボトルに穴があいていないかどうかなどを確かめる。
飲料はコカ・コーラグループが製造・販売している「爽健美茶」(五百ミリリットル入り)。
調べでは、女性は三日か四日に購入。一階南側にある行楽シーズンに合わせた特設コーナーで買ったとみられる。
六日午後三時すぎ、口に含み、刺激を感じてはき出した。約二時間後には胃に不快感を覚え、西脇市内の病院で受診。その際、激しい嘔吐(おうと)が続いた。病院から通報を受けた社署が飲料の残りを回収。県警科学捜査研究所で調べた結果、グリホサートが検出され、威力業務妨害容疑で捜査を始めた。
ジャスコ社店には店舗内外に複数の防犯カメラが設置されており、同課などは、女性がペットボトルを購入した三、四日の映像の提出を受けるほか、それ以前についても可能な限りさかのぼって提出してもらう。
今のところ、ペットボトルに目立った穴は見つかっていないが、県警科学捜査研究所などが故意に混入した形跡がないかどうかも詳しく調べる。
一方、兵庫県生活衛生課によると、女性がスーパージャスコ社店で除草剤の混入した爽健美茶を購入したとみられる三日か四日の両日、同店では同じ商品が計六十四本販売されていた。
同商品は今年一月二十三日、コカ・コーラウエストプロダクツ明石工場(明石市大久保町西脇)で約三十三万本を製造。賞味期限は同十一月九日だった。
ジャスコ社店は三日に二十本、四日に四十四本を販売。同店は三月三-二十九日に仕入れた二千八十八本のうち、同三日-四月六日に千八百三本を売っており、県はこれらの商品の賞味期限が除草剤の混入した商品と同じかどうか-などを調べている。
今回の事件について、日本コカ・コーラ社広報・パブリックアフェアーズ本部は「今のところ、工場ラインに異常は確認されておらず、製造時に混入された可能性は低いと考えている。相談窓口などについては、事実関係を把握したうえで検討したい」としている。
■来店客動揺広がる
女性が飲料を購入したジャスコ社店は八日午前、異物混入の事実を記した張り紙を店頭に掲げ、従業員が同飲料の販売停止について説明するなど対応に追われた。また、兵庫県社健康福祉事務所が食品衛生法に基づき、同店に立ち入り検査に入った。
来店客にも動揺が広がっており、加東市河高の主婦(72)は「家族に注意を促しているけれど怖い」と表情をくもらせた。同市社の主婦(28)は「しばらくはペットボトル飲料の購入は控え、お茶は家で作る」と話した。
製造した明石市大久保町西脇の工場には同日午前十時前、県生活衛生課などの担当者四人が同法に基づく立ち入り検査に入った。
コカ・コーラウエストホールディングス社(大阪市)によると、同工場は関西一円に流通する商品を製造。従業員には所持品の検査をし、飲料は無菌ルームでペットボトルに充てんしているという。
一方、西脇市内の病院に入院中の女性は、七日に集中治療室(ICU)から一般病棟に移った。病院によると、多少ふらつきはあるものの意識はしっかりしており、一週間以内に退院できる見込み。
(4/8 14:52)
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