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何者かが混入?「ヘルシア緑茶」に除草剤

 花王の人気健康飲料「へルシア緑茶」を飲んだ都内の男性が一時下痢症状を訴え、緑茶から除草剤成分が検出された。意図的に混入された可能性があり、警視庁は威力業務妨害容疑で捜査を開始。同商品は体脂肪を減らす働きがある高濃度の「茶カテキン」を含む“メタボリック対策飲料”として人気となっている。

 「ヘルシア緑茶」は「体脂肪が気になる人に」のキャッチフレーズで03年に発売された特定保健用食品。“メタボ予防&対策”に関心が高い中高年から支持を集め、年間約300億円を売り上げる大ヒット商品だ。

 調べでは、下痢の症状を訴えたのは東京都練馬区の男性会社役員(43)。男性の妻が3月26日夕、西武池袋線大泉学園駅近くのスーパーで350ミリリットル入りペットボトル2本を購入。27日に1本を飲んだが異常はなく、31日夜に2本目を飲もうと口に含むと、漂白剤のようなにおいと苦い味がしたため吐き出した。男性はすでに回復している。

 男性から31日に連絡を受けた花王は今月1日、緑茶の分析検査を実施。「グリホサートイソプロピルアミン塩」との一致率が約80%であると確認されたため、3日に警視庁と保健所に届け出た。

 この成分を含む除草剤は広く市販されており、公園や運動場などの雑草除去にも使われる。中毒になると、吐き気、下痢、発熱の症状が出るという。ペットボトル1本を全量飲んでも、致死量には達しない濃度だった。

 花王などによると、製造したのは委託先の「日本果実工業」(山口市)。製造日の3月5日には約33万本を生産。埼玉県内の2カ所の物流センターを経て、20日に練馬区の店舗に入った。このスーパーには1ケース(24本)が納入され、26日まで陳列されていたという。ほかの客からの被害の報告はない。

 男性は「キャップが少し緩かった気がする」と話しており、何者かが意図的に異物を混入させた可能性が高い。警視庁捜査1課と石神井署は威力業務妨害の疑いもあるとみて捜査を開始した。

 スーパーは男性の妻が購入した数日前までの防犯ビデオ映像を確認したが、不審な人物は写っておらず、同課は混入した経緯を調べるとともに、提出を受けた緑茶の詳しい鑑定を進めている。

[ 2008年04月06日 ]

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