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2008/04/10

くいだおれブランドは幾ら?

ばかたれ、しっかりせ―くいだおれ会長・山田六郎伝
ばかたれ、しっかりせ―くいだおれ会長・山田六郎伝
価格:¥ 1,427(税込)
発売日:1996-11

大阪のくいだおれが閉店という事なんだが、

くいだおれ太郎は同店の看板であると共に、ビリケンや通天閣と並び大阪を象徴するオブジェ(動く看板)となっている。文楽人形の製作技術が利用され、制作費は1千万円とされている。電動で休むことなく太鼓を叩いたり鐘を鳴らす・首を振る・口パクするなど一種の「宣伝ロボット」である。太郎登場以前には文楽人形そのものを直接人間が操作して、店への呼び込みを行っていた。なお、顔のモデルは喜劇役者の杉狂児とのことである。

もちろん、道頓堀どころか大阪を代表する名物なんだが、それにしても誰も料理を惜しむ人はいないわけだw みんなくいだおれ人形の事しか言わないw で、言うまでもないんだが、くいだおれ人形というのは「くいだおれ」という食堂のマスコットなわけだ。ところが、その食堂の経営がどうもうまくない。

 山田社長によると、閉店は今年に入り、他の役員2人と話し合って決めたという。要因として道頓堀界隈の芝居小屋が次々と閉鎖し、街を歩く客層が変わったことや、「粉モン」がもてはやされる大阪の食文化の変化、1店舗のみの家族経営では時代や環境の変化に対応できず限界だったことなどを挙げた。

 さらに店のビルは築50年と老朽化し、大掛かりな修繕が近い将来必要だったことも経営を圧迫。社員をリストラするなどして経営の合理化を進めてきたが、「皆さんにご迷惑をかけないうちに店を閉じようと決意した」という。

記者会見に出ていた会長・社長が70代という事であり、基本的に家族経営という事なので、ビルを建ててからの50年間、ほとんど経営形態を変えずにジッと同じようにやってきたんだが、それが限界という事らしい。で、おいら関西人じゃないので「くいだおれ」がどんな料理を出していたのか知らないんだが、とりあえずコレなんだが、3階の和食フロアでは、ちゃんこ鍋、うどんすきなどやってるらしい。おすすめ鍋料理が「うどんすきコース4200円~」「ちゃんこ鍋コース3570円~」とか、宴会コースが「みやび3500円」とか、そんな感じなんだけどね。他には居酒屋フロアーなんぞもあるらしい。

むかしは、道頓堀には芝居小屋が多くて、そうした芝居見物のついでとか、ちょっとした「お出かけ」の折に、ささやかな贅沢としてこういう店で豪華な食事を食べたわけだ。ところが時代が変わって道頓堀は若者や観光客ばかりになった。連中はカネを持ってないので、高いメシは食わない。「粉モン」に押されたというんだが、たこ焼きなら高くても知れたもんだし、とりあえずくいだおれ人形の前で記念写真撮って、どっかのたこ焼き食えば「大阪を満腹した」という、そういう世の中になってしまったわけだな。で、

 試算では、食堂「大阪名物くいだおれ」と戎橋筋商店街の売り上げから経済効果を推定。3月に実施した聞き取り調査の結果、くいだおれ人形目当てで、くいだおれで食事する客が全体の約3割だったため、年間約10万5000人が人形による集客で、経済効果は約4億4600万円-と試算した。

 また、ミナミに来る観光客のうち約6割が人形目当てで、戎橋筋商店街の年間120億円の売り上げのうち約1割が観光客の消費だったため、戎橋筋商店街だけで約12億2400万円の経済効果があったという。

問題は、くいだおれ人形というキャラクターと、くいだおれ食堂の商品とのマッチングがうまく行ってなかったというところにあるわけだ。コースで数千円というのは、今では高級料理の部類だと思うんだが、あの人形はどう見ても高級感がない。たこ焼き屋の看板といった風情だし、今回、改めて調べるまではそんなもんだと思っていた。観光客っていうのは、予想外にカネを使わないモノなので、高い宴会料理は敬遠する。世の中、不景気なのだ。

で、時代の変化に家族経営のブランドが適応できなかった、という事に尽きるわけだが、ちょっとカシコイ商社とかフードプランナーとかだったら、さて、くいだおれブランドに幾らの値段を付けるかね? あの場所で、あの看板で、というだけじゃない、創業者の意向で「支店は作らない」というのがあったようなんだが、まぁ、商社が絡んだら、ケンタッキー人形みたいに世界中にくいだおれ人形看板にしたたこ焼き屋でも作るだろう。まぁ、数億円の値段はつくだろうから、経営者一族の退職金くらいにはなるだろう。ちなみに、50年前にビルを建てた時には、くいだおれ人形のせいで銀行融資が受けられずに「自分のカネだけで建てた」そうなので、他人のフトコロを心配してもしょうがないんだけどね。

コメント

さすがは野次馬御大、ピタリと実情を言い当てていますw
慧眼による洞察に加えて、宗右衛門町が一大風俗街に変容したため、夜間の客筋が変化したのも大きいのかも知れません。

おいら、大阪には一度も行った事がない。

逆に大阪人から見ると、くいだおれはおのぼりさんくらいしか行かないところですw
もしくは会社の忘年会くらいかな?
いずれにせよバブル期からこっち、ミナミにガキが増えたのは大きな要因ですね。

ミナミは、ガキだけぢゃないす。ポコペンやニダーもずいぶんと増えました。
もう、ワシの知ってるミナミは、どこにもおまへん。

寂しい限りダス。

はっきり言っておいしくないですからね。
あの店に限らず、あの界隈の飲み屋でガキが居るところは全然ダメです。
チェーン店(ワタミレベルww)の方がマシです。

まあ上野の聚楽みたいなもんですかね。まだ聚楽の方が
マシですけど。

会見で社長の隣に坐ってるおばさん会長が
「何を囁いたらいいかわからなくて」つってたのは笑った。

ラーメン屋のネタで恐縮だが、なんでも道頓堀周辺の物件は、所謂「China系」の資本が結構入って来ているとのこと。
その筋のはなしでは、相場の3割増あたりはザラで「金に糸目をつけない」乱暴な交渉が目立つらしい。

歌謡曲で名を馳せた宗右衛門町は、既にキャバレー紹介所の呼び込みで歩きにくいし、道頓堀、心斎橋筋それにタイガース・ファンの聖地である戎橋界隈も、中国発の旅行団に占拠された印象。
さてさて大阪は、『どないなってしまうんやろか~?』

大阪庶民の本音パワーは結構貴重だと思うのでいつも元気な町でいてほしいのですが先行きなんだか不安な気がするw

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