聖火リレーがサンフランシスコで行われており、抗議や警備でいろいろ騒がしです。予想していましたけど、チベット問題に対する抗議が、ここでもかなり荒れましたね。さすが、リベラルの総本山、サンフランシスコというかんじでしょうか？
さて、不動産の上がりそうなところと、下がりそうなところの見極め方の第三弾です。過去に下記の関連書き込みをしました。
その� ∧振兩ぢ喙�入と住宅保有経費の比率
http://blogs.yahoo.co.jp/sfscottiedog/54623299.html
その�◆�賃貸コストと不動産価格の関連
http://blogs.yahoo.co.jp/sfscottiedog/54649121.html
第三弾は、「開発規制と不動産価格」の関連です。
まず、FRB（Federal Reserve Board）の2005年に発表した「都市圏別の開発規制の緩さ」ランキングです。規制が厳しい都市圏ほど高い数字になります。
Index Value Metropolitan Area Name
2.21 New York, NY
2.10 San Francisco, CA
1.89 Sacramento, CA
1.84 Charleston-North Charleston, SC
1.73 Riverside-San Bernardino, CA
1.65 San Jose, CA
1.60 San Diego, CA
1.51 Santa Barbara-Santa Maria-Lompoc, CA
1.48 Seattle-Bellevue-Everett, WA
1.23 Gary, IN
1.21 Los Angeles-Long Beach, CA
1.15 Ventura, CA
1.02 Newark, NJ
0.98 Tyler, TX
0.96 Salt Lake City-Ogden, UT
0.94 Portland-Vancouver, OR-WA
0.88 Honolulu, HI
0.86 Boston-Worcester-Lawrence-Lowell-Brockton, MA-NH
0.86 Washington, DC-MD-VA-WV
0.80 Baltimore, MD
- 上位には、New York City、San Francisco、San Jose、San Diego、Los Angeles、Seattle、Portland、Boston、Washington DCといった東西海岸の人気の大都市がランク入りしています。これらの都市は、いわゆる「バブル知らずのスーパースター都市」といわれているところですね。開発規制の厳しさに加え、土地の供給が限定されていたり、しっかりとした産業があり給与水準の高い都市でもあります。規制の厳しさ＝緑や環境が保全されている都市なので、より多くの人が住みたい都市という構図も浮かび上がります。
http://blogs.yahoo.co.jp/sfscottiedog/13100460.html
- 最初のチャートをみていただくと、これらの都市が右上の「規制が厳しく、不動産も高い」エリアにポジションされていことで、規制と不動産価格の相関性もお分かりいただけるかなとはおもいます。
- 上記の都市は下記の「空家率」をみてもかなり低く収まっていますので、景気が悪化し、給与削減＋失業率の増加などが起こらなければ、不動産もさほど値崩れしないでしょうね。特に学区がよかったり、住環境の整った一等地の物件は。
http://blogs.yahoo.co.jp/sfscottiedog/54563177.html
- また、Charleston、Honolulu、Santa Barbaraといった海に面し風光明媚で、別荘＋お金持ちのリタイア先として人気に街もランクの上位に入っています。これらの街は乱開発をさけ、好ましい住環境の保全にかなり力をいれているので、不動産も非常に高く、現在でもあまり値崩れをおこしていません。僕がメキシコの海沿いの一等地でランドバンキングをしているのも、「風光明媚で便利なロケーションの海沿いの土地の価値は今後も上がり続ける」という信念からですね（笑）。Santa BarbaraやHonoluluの土地の値段と比べると1/100で仕込んでますからね。
- このランクに、Sacramento Riverside-San Bernandinoも入っていますが、この都市は規制が厳しかったとはいえ過去5年間にかなりの新築供給がありました。よって、空家率も4.2%、3.8%とかなり高くなっており、差し押さえも暴発しているので、不動産価格の下落は続くとおもっています。また、この都市は給与水準が低いので、不動産価格価格が高くなりすぎると、不動産の購入者が減り、それも不動産価格の下落に歯止めをかけているとおもいます。
次に、American Dream Coalitionが2006年3月に発表した州・都市圏別の開発規制におけるプレミアムの額を見て見ましょう。
State / Region Premium†
Hawaii $325,000
NYC area 100,000 to 300,000
Coastal California 300,000 to 850,000
DC area 135,000
Oregon 20,000 to 120,000
Seattle-Bellingham 35,000 to 65,000
Boston area 100,000 to 225,000
Chicago 65,000
Providence 110,000
Vermont 40,000
Colorado 30,000 to 50,000
Missoula 65,000
Other w. Washington 35,000 to 65,000
Arizona 20,000 to 70,000
Florida 10,000 to 80,000
Maine 10,000 to 65,000
Maryland 45,000 to 60,000
New Hampshire 60,000 to 80,000
Nevada 100,000 to 130,000
Twin Cities 30,000
Wisconsin 20,000
† Penalty per median-value home to the nearest $5,000.
- この「プレミアム」は、平均的な一軒家を購入した場合の、開発規制による高騰した建築コスト＋土地の値段のプレミアムをザクッと算定しています。
- ここには割愛しましたが、一番高いエリアはSan Franciscoの$850,000 で、そのあと、San Joseの$510,000、Oaklandの$400,000と続いています。Los Angeles Orange County San Diegoあたりは35万ドル前後です。
- 東海岸ではNew York Cityが31万ドル、 Bostonが21万ドル、Washington DCが13万ドルと続きます。
- この数字を見ると、Houstonで15万ドルで買える物件が、San Franciscoで100万ドルを超えてしまう背景がお分かりになるとおもいます。
建設コストをみても、下記のとおり(2番目のチャートを参照)、人気の大都市圏では全米平均より高くなっています。
http://www.buildingteamforecast.com/article/CA6419443.html?industryid=43720
1. New York 130%
2. San Francisco 212%
3. Honolulu 121%
4. Oakland 118%
5. Boston 116%
6. San Jose 116%
7. Philadelphia 114%
8. Chicago 113%
9. Mineapolis 112%
10. Stamford 111%
以上、開発規制と不動産価格の相関をつらつら語ってみました。しかしながら、基本的に不動産は住民がローンを支払える価格でなければいけません。これらのスーパースター都市も、基幹産業が好調であったり、お金持ちの移住（＝貧乏人を追い出す）が進んでいるうちはいいのですが、あまりに高くなると価格調整の対象になるのは、前回の書き込みからも明らかですね。
では、Happy Investing!!!!!
*上記した、FRBやAmerican Dream Coalitionの開発規制と不動産価格のレポートを読みたい方は、直接、下記までメールください。
oystersf@yahoo.com
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