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佐久総合病院再構築、農協グループ挙げて推進へ

4月10日(木)

 県厚生連佐久総合病院(佐久市臼田)の再構築に向け、県農協グループは25日の中央会理事会で「高度医療体制再編促進会議」(仮称)の発足を決める。病院側と佐久市で土地利用や病院の役割などで見解がかみ合わず、具体的な協議に入っていない状況下、農協全体の問題として位置付け、グループを挙げて再構築推進に取り組む構えだ。

 再構築計画は、救命救急やがん診療など高度専門部門を「基幹医療センター」として分割移転し、臼田の現在地には一般診療を担う「地域医療センター」を再整備する。05年に佐久市中込の工場敷地に13ヘクタール余を購入したが、佐久市は「都市計画法の工業専用地域にあり、用途変更するつもりはない」としている。

 中央会によると、再編促進会議は信連、共済連などの理事長・本部長、佐久浅間農協など県内20農協組合長ら約30人を予定。計画の経過と現状を理解して具体的行動を検討、ほかの厚生連病院の体制見直しも考える。

 佐久総合病院は厚生連10病院の収益全体の7割を占めている。2006年度決算では4病院が赤字だったが、同病院の収益で穴埋めし、全体で3億円余の黒字を出した。若林甫汎(としひろ)厚生連理事長は「佐久総合の経営が傾けば厚生連病院全体が傾く」とし、小松正俊・中央会参事は「施設整備面で信連などから貸出金もあり、経営安定化は農協全体の問題だ」としている。